狩屋と天馬
2012/03/02 01:45


「天馬くんて、親いないの?」

「いないって言うか、別のところで暮らしてるよ」

「じゃあ、オレと同じだ。」

「そうなの?」

「オレも、親は別の所で暮らしてると思う。11歳で施設に預けられたっきり、会ってないから、生きてるか実際わかんないけどね。」

「生きてるよ。狩屋がこうやってサッカー頑張ってるとこ、狩屋のお母さんたちもきっとどこかで見てるよ。」

「…そうだといいね。天馬くんはいつから親と離れてくらしてるの?」

「小学生のときくらいかなー。でも、毎年会いに行ってるから、そんなに長く離れてるって気はしないかも」

「へえ…」

「おれたち似てるね。」

「うん?」

「両親と離れて暮らしてるけど、代わりに大切な居場所がある。狩屋にはお日さま園で、おれには木枯らし荘。」

「ああ…そうだね。」

「あっ」

「なんだよ?」

「もちろん、雷門もおれたちの大事な居場所だよ!」

「ぷっ…いちいち言わなくてもわかるよ」

「そっか」

「そうだよ」

「うん…そろそろ帰ろうか。おれたちの居場所に。」

「うん、」



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眠くていみわかんないシリーズ





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