神童と天馬
2012/02/12 00:54


颯爽と校門を通り抜けるその姿に、その場に居合わせた女子生徒たちは釘付けになる。

「きゃー!神童くんよ!」

「今日も麗しいお姿だわ…」

女子生徒たちは、甘い溜め息と共に熱い視線を送る。だが、その視線の先にいる神童拓人は、そのことを全く気にしていない。否、気にならないほど別のことに集中していた。

(き、今日こそ……!)

神童は、ひと呼吸ののち、つかつかと歩き、ある男子生徒の前に回り込んで立ち止まる。

「お、お、おはよう、てんまっ!」

「…? おはようございます、キャプテン!」

ぎこちない挨拶に一瞬不思議そうにした天馬だがさほど気にせず、笑顔で挨拶を返す。神童は、それだけでぱぁっと表情を明るくする。

「あ、そのっ、今日も1日がんばれよ!」

「はい!キャプテンも頑張ってください!」

天馬はにこりと微笑むと「あ、おれ今日日直なんで急ぎますね。」と言って先に昇降口へと向かった。

(天馬に頑張ってくださいって言われてしまった…あと挨拶も返してもらった…今日は最高の1日になるかもしれない…)

残された神童は恍惚としながら立ち尽くした。そしてその姿に見惚れた女子生徒数名と共に、遅刻ギリギリで昇降口を走ることとなった。




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おぶさんがメールで仰ってたやつをイメージして書いてみました(笑)
あとでもっとちゃんと書きたいです





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