南沢と天馬
2011/12/24 00:00
クリスマスってあれだろ?ケーキ食って、プレゼント交換して、女食って、要するにリア充の祭典なわけで。受験生の俺には全く無縁なわけで。
12月24日の夜の9時すぎだってのに俺は独りで塾から家までの道を歩いてる。虚しい。こんな日には、空からドジな天使が落ちてきて、あなたの願いを叶えます!な〜んて言うんだよギャルゲーなら。俺はやったことないけど。
「あ!!南沢先輩!!」
そうだな、天使の声はこんな感じに高いといい。もっと言えばくりくり頭で、綺麗な青い目してて、犬みてーな愛嬌の…
「南沢先輩ってば!!!」
いた。俺の天使。
「天馬…」
「おれ、今木暮さんたちに言われてコンビニでおつまみ買ってきたんですけど良かったら少しだけ一緒に話しま……うわああっ」
俺は天馬にハグをした。天馬はびっくりしてたけど逃げなかった。
「会いたかった」
俺がそう言うと、天馬は俺の背中に手を回した。
「木暮さんたちが待ってるから、15分だけですよ…?」
「酔っぱらいだろ、30分くらいなら大丈夫だ」
俺は誰か通るかも知れない道の真ん中で天馬にキスをした。
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