神童と天馬
2012/01/31 22:57

※しんさまが気持ち悪い


授業中、ふと窓の外へ目をやると、一年生はこの時間体育なのか、天馬がグラウンドを走っているのが見えた。この時期の体育は専ら持久走で、外周を走ってきた天馬はグラウンドにへたり込んだ。後から信助が来て、それから狩屋と空野も来た。四人は確か同じクラスなのか、少し羨ましい。顔を真っ赤にして肩を揺らす天馬は、今にもぜぇぜぇと荒く息をするのが聞こえそうな程だ。きっと汗がジャージの背中に染みになっているだろう。汗が項を濡らして、幼い天馬を少し艶っぽく見せるだろう。ああ、一年遅く生まれたかった。だけど考えるだけでもこんなに胸が高鳴るのに、いざ目の前にして俺の理性は保てるだろうか、いや保てない。付き合っているとはいえいざそんな姿を前に理性を飛ばし、天馬に嫌われては元も子もない。だが見たい。天馬の汗に濡れ、息を切らしながら潤んだ瞳で俺を見つめる姿が見たい。もう駄目かもしれない俺は天馬でなんて汚れた妄

「先生、神童の顔が赤いです!」

霧野の声に、ハッとする。そうだ、今は授業中だった。

「そうか。神童、つらかったら保健室で休んでこい。」

俺は、自分の顔が確かに熱いことを確認すると、先生に一瞥し、教室を出た。


向かったのは勿論トイレだけど。

「……っ…てん…まぁ………」

嗚呼俺はどうしようもなくあいつが好きなんだな。




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