不知火兄弟→真帆路
2012/01/31 22:12

お湯を掻き分けてするりと影二の体に腕を絡める。細い体はきつく抱けば壊れそうな程だ。幻一は、それをある程度の力で抱き締めると、影二もまた幻一の体に腕を巻きつけ、2人は互いの胸をぴったりと密着させる。衣服に阻まれない直接的な接触が互いの体温を交換する。お互いの股の間に片足を滑らせて絡まる。合図なしに同時に動く様子は、練習を積んだ水中ショーのように息がぴったりだが、勿論2人は練習をしたわけではない。

「影二ィ…」

「幻…一…」

2人が同時に互いの名前を呼ぶ。目を見つめ合い、相手の頬を捕らえると唇を重ねる。男だとか兄弟だとか、2人には関係ない。そこに恋愛感情は存在しないのだ。彼らにあるのは性的欲求と兄弟愛、ただそれだけ。むしろ、恋愛感情は、2人とも同じ人物に注がれていた。

(お前に真帆路は渡さない。)

兄弟は愛撫しあい互いに牽制する。その先に生まれるものなどないと知りながら。



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実花菜オフロスキーです
お風呂2時間入りますね
SS更新もよくお風呂でしますしね



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