三波と香宮夜
2012/01/31 12:32


合宿の夜。部屋は2人で1部屋宛てがわれ、俺は香宮夜と部屋を同じくした。ベッドはもちろん2つあったが、何故か星降は俺のベッドに入り込んできた。唯でさえ、俺は割と体がデカいのに、同じくらいの身長の香宮夜が入ってきてベッドが非常に狭い。

「三波…寒い」

「そんな格好じゃな…」

香宮夜は寒いとすり寄ってきたが、当たり前だ。香宮夜の寝間着はショートパンツに、タンクトップの上にパーカーを羽織っただけの格好だった。香宮夜は長い脚をするりと俺の足に絡めると、腰までぴったり密着した。

「…温めろ。」

香宮夜は耳元で低く呟いた。きっと最初からそれが目的で薄着なんだろう。こいつは言葉にするのが苦手で、先に行動に出る癖がある。
仕方ないと言うように俺は香宮夜の腰に腕を回すと、抱き寄せてやった。

「…このまま寝るからな。」

「狭いんだが。」

「知らない。」

香宮夜は俺の胸に顔を埋めると、布団を被ってそのままうごかなくなった。

「やれやれ…困った恋人だな…」

俺は溜め息混じりに呟くと、香宮夜を抱いたまま目を閉じた。




「あら?消灯前なのにもう寝てるのね。ふふっ。おやすみなさい、2人とも。」


翌朝、俺と香宮夜が一つのベッドで寝たことが何故かチーム全員に知れ渡っていた。

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