総女体化
2012/01/31 11:39

※前の続きではない


放課後のミーティングルームは、部活のない金曜日にはサッカー部のサロンになる。今日は三国先輩が手作りのお菓子を持ってきて、神童先輩が紅茶を持ってきて、霧野先輩がアロマを焚く。

「ん、このアロマ。この前言っていたフランスから取り寄せたとかいうやつか?」

「ああ。珍しい香りだと思って持ってきた。」

「なかなか良いな。」

優しい花の匂いが、ミーティングルームに充満する。ゆったりとした黄昏時の時間にぴったりだ。お茶を交わしながら話すのは、恋の話でも洋服の話でもお菓子の話でもない。

「この前の日韓戦は見たか?」

「あれはあそこでフォワードを入れ替えるべきじゃなかったな」

「私もそう思った。あれでは韓国のゴールは破れないな。」

「ちゅーか、ウチらの監督を日本代表の監督にしたら最強じゃね?」

「ハッ…そしたらアタシらが試合に負けちまうじゃねぇか」

「倉間さんの言うとおりですよぉ…」

「冗談だって〜!」

つまり、練習がなくても、この女子たちはサッカーの話ばかりなのだ。

(サッカー部のサロンに憧れてた他の部活の子たちが見たらちょっとびっくりするかも)

見目麗しい女子たちが揃ってのサロンは、学園の憧れだが、こんなに女子らしくない会話だとは誰も思ってないと思う。

(まぁ、私はこの方が楽しいけどね。)






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