神童と天馬※ぬるいけどR15
2012/01/23 11:37
※年齢操作あり
神童邸にある神童拓人自身の書斎。その最奥部には隠し部屋がある。総手術費8億円の生きる至宝、それが、無機質な隠し部屋にぽつんと備えられた絹のベッドに横たわっている。神童は、老いて嗄れた声で愛しい名を呼ぶ。呼ばれた少年は、ピクリと反応し、パチパチと瞬きすると、目を擦ってゆっくりと起き上がる。60年前と変わらない声で、神童に話し掛ける。
「おはようございます、拓人さん。」
「おはよう、天馬。今日もかわいいな。」
「…もう、拓人さんたら…」
天馬は照れながら、火照る顔を押さえる。その仕草は紛いもなく少年だ。神童の乾いた皺だらけの手で、天馬の頬を撫でる。天馬は擽ったそうに目を細める。
「…愛してるよ、俺の天馬。いつまでも俺だけのかわいい天馬。」
神童が囁く声は、優しい。昔の気迫溢れる頼れるキャプテンの声ではなく、大人びた、老人の優しい声。天馬はその声を愛おしく思いながら、擦りよるように神童の胸に抱き付く。
「…拓人さん…拓人さん…大好きです…」
ぎゅうっと、抱き付く腕に力を込める。神童の骨が折れない程度に、それでも温かさを共有したくて、すがりつく。
「…触って…拓人さん。いつもみたいに。」
天馬はするりと神童から手を離すと、神童をベッドへ倒した。神童は仰向けになり、枕を敷いて、半身だけ起こした。天馬は神童の膝に座ると、自ら上着をはだけさせた。
「天馬。」
神童は、天馬の胸を撫でた。美しく、瑞々しい、少年の素肌。
この空間を異質だと思う者は居ない。少年と老爺、2人だけの歪んだ愛の世界。
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