剣城と天馬
2012/01/21 22:40


部活終わりの更衣室。

「うわっ…」

剣城が突然声を上げる。目線の先には、靴下を履き替える途中の天馬の素足がある。

「これ?グロいよね。しもやけ放っといたらこんなになっちゃって、痛いんだ。」

天馬はへへへ…と苦笑いを浮かべた。その足の指は全体的に紫っぽく変色し、ところどころには大きな水膨れや、水膨れが剥がれて肉が見えてるのもある。かなりえげつない。

「大丈夫なのか」

「うん。普通に歩けるから大丈夫だけど、試合中とかに踏まれるとすっげー痛い。」

天馬は自分の足をさする。どうやら天馬は冷え性のせいで、足の血行が悪く、寒い日が続く為に霜焼けをしてしまったらしい。沖縄では霜焼けになることなどなかったから、対策などしなかったのだ。

「ふぅん…足、貸せよ。」

剣城は天馬の座るベンチの前に跪く。そして、天馬の足を掴んで軽く持ち上げると、マッサージを始めた。

「つ、剣城?」

天馬はびっくりして少し仰け反る。あの剣城がいきなりマッサージをし始めたら誰でも驚くだろう。

「兄さんも、足が動かないせいで霜焼けになりやすいんだ。だからこうしていつもマッサージして血行を促してる。」

それを聞いて天馬はなるほど、と思う。なんとなく手つきも慣れてる感じだ。

「ん…ありがとう剣城。」

「勘違いするな、ちょっとそういう気分だからしてやってるだけだ。」

天馬がお礼を言っても、剣城は天馬の足を見たまま目を合わせない。相変わらずだなぁと思いつつも、剣城の意外な特技を知れたのは嬉しい天馬だった。


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実花菜も霜焼けヤバいんです。グロいんです。よく靴下に血がついてます。
最後の、天馬の足見つめる剣城を変態臭いなと思ったのは私だけでいい。
ショート初京天かもしれない。




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