拓天がキスするだけB
2012/01/18 19:45


神童邸には温室がある。沢山の草花を育てている中の、一番大きな花の陰。そこは神童が小さい頃からの秘密の場所だった。父に叱られたときも、使用人が勉強を促すときも、決まってここに隠れた。

「…ん…天馬…っ…」

「……キャプテン…ふ…っ…んぅ…」

神童は地面に座り、その膝に天馬を座らせ対面。唇を重ねながら、甘い吐息を吐き出す。

「拓人坊ちゃん、そろそろレッスンの時間ございます!…拓人坊ちゃーん!どこにいらっしゃるのですかー!」

温室の外で使用人が神童を呼ぶ。天馬は申し訳無さそうに目配せしたが、神童は首を振った。

「たまにはいいさ。天馬との時間の方が大事だ。それにレッスンは明日もある。」

天馬は何かを言いかけたが、神童は言う前に唇を塞いだ。

「ん…はぁっ……ん…」

それ以上は天馬何も言おうとはしなかった。ただ甘い口付けに溶かされた。




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