茜と天馬
2012/01/14 21:09
※拓天要素
茜は昔から他人とズレていると言われていた。彼女は、お姫様に憧れることはなかった。彼女が憧れていたのは――…
「わたし、王子様になりたかったの。」
茜はにこりと笑った。天馬は大きな声を上げた。
「えー!なんでですか!茜さん可愛いから、王子様は勿体無いですよ!」
「天馬くんは、お姫様みたい。」
「話聞いてます?おれ男ですし…」
「だって天馬くんには王子様がいるじゃない。」
茜の視線の先にいるのは、神童だった。天馬もそれに気付くと、ぼっと火がついたように顔を真っ赤にした。
「ああああ茜さん!」
「ふふ。わたしもいつか天馬くんみたいなかわいいお姫様欲しい。」
真っ赤になる天馬を撮りながら、茜はふわりと笑った。
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