神童と天馬
2012/01/14 20:13

※日記から移動。次回予告ネタ。



「じゃあ、話はそれだけだから、帰るな?」

「えっ……あ…はい。」

「…返事…ずっと待っているからな」

「…キャプテン…」

「じゃ。」

そう言うと、神童は天馬の部屋を後にした。残された天馬は見送りも出来ないまま俯いた。差し込む夕日が、天馬の頬の赤みを誤魔化す。

「サスケ…俺…どうしたらいいのかな…」

遡ること1時間程前。部活が終わったすぐ後、天馬は神童に「話したいことがあるから2人きりになりたい」と告げられた。今はちょうど秋が買い物に行っていると思った天馬は神童を家に呼んだ。

「キャプテンちみたいに…広くはないですが」

「きちんと整理してあるみたいだな…ん、犬を飼っているのか。名前は?」

「サスケです」

「サスケ、おいで」

神童はサスケを撫でてやる、するとサスケは嬉しそうに神童の頬をなめた。

「キャプテン、話ってなんですか?」

天馬は机に荷物を置くと、神童を見やる。神童ははっとしたように目を伏せた後、意を決したように、天馬をまっすぐに見つめた。

「準々決勝の前に…この革命が終わりきるよりも前に…どうしてもお前に伝えたいことがあったんだ。」

「なんですか?」

「お前が好きだ、天馬。後輩としてや仲間としてではない。お前を、1人の人間として誰より愛してる。」

神童は感情の籠もった声で告げた。天馬は目をぱちくりとさせた。

「付き合って、欲しいんだ。恋人として。」

神童は天然な天馬のことを考慮して丁寧に丁寧に想いを告げた。そして冒頭に返る。


「俺なんかが…キャプテンの恋人になってもいいのかな…」

天馬はサスケの背中を撫でながら、ポツリと呟いた。 サスケはひとつ大きなあくびをすると、目をとじてしまった。

「サスケに聞いても仕方ないね……。」

天馬はぼふっとベッドに俯せでダイブした。

(…なんとかなるのかな、キャプテンと俺が?)

考えたら頬がかぁっと熱くなった。

(…キャプテン…)

天馬はシーツをギュッと握ると目蓋を閉じた。


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現実は鬱展開だったとしても妄想だけでも楽しく



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