倉間と天馬
2012/01/09 18:03
放課後、委員会の集まりで、天馬は会議室に向かっていた。天馬は、美化委員会に入っていた。別に自分から立候補したわけじゃなかったが、なんとなく押しつけられてしまった。
会議室には既に他の美化委員の生徒がほぼ集まっていたが、時間には間に合った。天馬が席につくと委員長の三年生が話を始めた。内容は大したことではなく、清掃用具の点検を当番制にするというだった。それとなく話を聞いていた天馬だったが、ふと、二年生の席を見ると、そこには倉間の姿があった。天馬は何気なく、倉間の方を見ていたら、倉間がこちらに気付いた。だが、倉間は天馬を見るなりすぐに視線を逸らした。
相変わらず嫌われてるなぁと、天馬は思う。入部以来、フィフスセクターにも先輩たちにも刃向かってきた天馬が、先輩の倉間に気に入らないと思われてしまうのは仕方がないと天馬自身も理解してはいるがやっぱりなんとなく寂しい。
天馬は小さく溜め息をついた。
清掃用具の点検は、学年関係なく、ペアで、2週間に一回行うらしい。ペアは、くじ引きで決めることになった。天馬は、他に知り合いも居ないために倉間先輩となれたらいいなと思う。天馬が番号を引くと、8だった。同じ番号を引いた人がペアになる。すかさず、先に引いた倉間の方を見る。すると、倉間の方から天馬に近付いてきた。
「お前…何番?」
「8です。」
「…………お前とかよ。」
倉間は自分の引いた数字を見せてきた。しっかりと8と書いてあった。天馬は、安心してぱあっと表情を和らげたが、倉間の不機嫌そうな顔を見ると、しゅんと大人しくなった。
「ごめんなさい。おれとで。」
「なんで謝るんだよ。」
倉間はやっぱり不機嫌そうに低く呟いた。天馬はどんどん悄げていく。
「だって…倉間先輩はおれが嫌いですよね?」
「…そんなこと言った覚えはねぇよ。」
「倉間先輩、いますっごく嫌そうなら顔してます」
「別にお前が嫌でこんな顔してるわけじゃねぇよ。」
その答えに、天馬はきょとんとしてしまう。幼い仕草でそして小首を傾げた。
「じゃあなんでですか?」
倉間は、ぴくりと固まった。
『お前となれたのが嬉しいなんて、顔に出せねぇからだよ』
そんなこと、言えるわけがなかった。
「うっせぇ。お前には関係ねぇだろ。」
「そんなぁ…」
天馬は相変わらず悄げた顔をしていたが、倉間が自分を嫌ってないことを知り、少し心は軽くなっていた。
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オチなし
後半雑すぎる。
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