天馬と剣城
2011/12/30 21:10

※天馬攻め風味注意





剣城がおれの部屋に遊びに来るのはもう初めてじゃない。と言うのも、おれたちは現在恋人同士と言うやつなのです(おれは恋人じゃなくても普通にみんな部屋に上げてるけど、剣城は恋人になるまでおれの家に来なかった)。おれたちの関係は葵と信助と剣城のお兄さんくらいしか知らないはずだけど、正真正銘恋人です。

と思ってます。おれは。

何故『おれは。』かと言うと、先程から、いや、初めて家に来た日からずっと、おれの部屋でのおれたちの距離は2メートル近くある。おれがベッドでサッカー雑誌を読み、剣城はおれの机で違う号のサッカー雑誌を読んでいる。このスタンスが当たり前になっていた。
剣城と触り合いたい。なんて願望がないと言えば嘘になるけど、無理やりどうこうしようなんて思ってない。それなのに剣城はこの警戒っぷり。なんだかなぁ。こればっかりはなんとかなるって思うだけじゃどうにもならないと思う。
それでも剣城に嫌われたくないおれは、この雰囲気のまま雑誌をめくるわけで。おれって結構意気地なしだなぁ。

そんなことを考えて雑誌を眺めてると、なんか眠くなってきた。剣城のことに悩みすぎて疲れたんだと思う。どうせ剣城はこのまんまだし、ちょっとくらい寝てもいいかな。




なんてうとうとしていたのも束の間。目を閉じたまま、意識をどこかへやろうとしたときに、不意におれが座ってたベッドがギシ、と音を立てた。そして横に何か気配を感じる。どうしようこれ、どう考えても今剣城横に居る!
おれは目を開けようと思ったけど、これだけじらされて漸く隣合ってるのに、逃げられたらどうしよう。今すごく剣城と喋りたいし剣城の顔が見たい。でも起きたら逃げられそう。

そんなことを考えてるうちに、隣から規則的な呼吸が聞こえ始めた。もしかして剣城寝てる?
ちらっと、横を見ると、剣城は完全に眠ってるみたいだった。その寝顔が、すごく綺麗だったから、今まで悩んでたこととかどうでもよくなった。おれは、剣城を起こさないようにタオルケットをかけてあげて、横で静かに目を閉じた。


-----------
某モバゲイで話してたネタ



prev | next


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -