放課後のシンフォニー | ナノ
夕食を食べ終えてすぐにお風呂に入った。
その後は自分の部屋に戻ってベスをいじっていると扉が開いて、唯がギー汰を持って入ってきた。


「楓ちゃん、これ分かんないよー」

「本は読んだの?」

「んー、だって本読むと眠くなっちゃうんだもん」


この音が出せない、と言ってきた唯にこうだよと教えると、おお、と言って弾く。よし、ふわふわ時間を合わせよう!と言ってきた唯にうんと頷いて弾いた。途中で憂が入ってきて上手だねと笑って聞いていた。気がついたら11時を過ぎていて、お開きにしてベスを元の場所に戻して眠りについた。


ピピピと鳴る目覚まし時計の音で目が覚めて、部屋を出るとおいしそうな匂いが漂っていた。


「あ、楓ちゃんおはよう」

「おはよー」

「お姉ちゃん起こしてきてくれるかな?」

「はーい」


眠い目を擦りながら唯の部屋に行くと、ギー汰を抱きしめた唯が寝ていた。あーあ、また頬にあとがついちゃってるよ。
幸せそうにヨダレを垂らしながらニマリと笑った唯の額をペンペンと叩くと目を覚ました。


「あれぇ、なんで楓ちゃんが・・・」

「もう朝ですよー」

「あ、そっかー」


伸びをした唯に早くね、と言って部屋を出て行った。うーん。どうも唯といるとしっかりしなきゃと思ってしまう。
憂のもとへ起こしたよ、と言いに行くとすでに朝食ができていて、きれいに並んでいた。ほんとう、憂ってば天才だなぁ。


私たちが食べ終わるころに制服に着替えた唯が飛び出てきて、二度寝してた!と慌てた様子で朝食に噛り付いていた。



急げ少
(私当番だから先に行くね、お姉ちゃん、楓ちゃん)
(え、じゃあ私も行く!)
(えええ〜、置いてかないでえ〜)
(もうっ、唯はーやーく!)


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