マドレーヌと秘密 | ナノ
学校が終わって、ロコに言われた通り公園に行けば、一人でブランコに座っているのを見つけた。こんにちは、そう言って近づくと、にこりと笑って返事をしてくれた。
なんだろう、ロコといると嬉しくなる・・・。


「今日は遅刻しなかったんですね」

「あー、昨日の根に持ってるでしょ!」

「・・・そんなことないです」


なにその間、とロコは笑った。俺も自然と笑いそうになる。笑い終わったロコは、今日はラブシーンだけで終わったの、とまた笑うロコ。チクリと俺の心臓が痛んだ気がした。何度も何度も、ラブシーンという言葉が頭の中をぐるぐる回る。
気がついたら俺はブランコから立ち上がっていた。ロコもそんな俺が心配になったのか立ち上がって、俺の顔を覗き込むように見てきたものだから、つい魔がさして俺はロコにキスをしていた。


「・・・な、にするの・・・!」

「・・・・・・つい、です」


つい、と言った俺の言葉に目を見開いて、小さな声で何か言ったと思うと、俺の頬は叩かれていた。ヒリヒリとする。そのままロコは何も言わずに去って行ってしまって、公園にたった一人俺だけが残った。風が寒く感じて、余計に孤独さを感じた。
家に帰れば、俺の頬を見たお母さんが心配して聞いてきたから、ロコに叩かれたなんて言えるはずもなくて、ぶつけたと言った。お母さんは信じてくれて、ドジねと笑って氷をくれた。悠太も驚いた顔をしたけど、あえて触れないでくれた。やっぱり、俺は、悠太もお母さんも好きだ。
そう思った時、ふと頭に過ったのはロコの笑顔。

す、き・・・?

首を傾げて考えてみても、やっぱり浮かぶのはロコばかり。


新着メール0件、の画面を見て俺はロコに最低なことをしたっていうのを、改めて実感した。



失って初めて気付く
(悲しそうなロコの顔が)(頭から離れない)


0623
展開が苦しすぎる。終わりが見えないという…。