僕の青春 | ナノ
桜がひらひらと舞い踊る季節、僕らは中学生になった。
周りにいるのは小学校での同級生と、あとはもう一つの小学校の子たちで、半分新鮮な感じ。
そして、中学生活初めてのクラス分けでは、意外と人数の多いこの学校はクラスが7クラスまでわかれていて、要は1組、春と祐希は4組、俺は6組で、結構離れることにまで・・・。
でも、クラスは別々だけど、昼休みとかはよく一緒にいた。


「・・・あ、教科書忘れた」


中学生活に慣れ始めた頃、教科書を忘れちゃった俺は祐希にでも借りようと思って4組を訪れた。祐希、と呼ぼうとした時、春と祐希が一緒に話していた女の子に目がいった。
恥ずかしそうに笑っているだけなのに、なぜだか分からないけど目を引いた。


「あ、悠太だ。どうしたの」

「・・・え、いや、教科書忘れたから貸してほしくて…」


祐希と話している時も、後ろで春と話している女の子が気になってしまう。
ちらちらと見ていると春はその子に手を振って俺たちのところに来た。
ツインテールっていうやつで結ばれたふたつの髪の毛を歩くたびにふわふわと揺らして、その子は席で本を読み始めた。何の本だろう、なんて気になる俺。


「・・・悠太くん?どうかしましたか?」

「なんでもない。二時間目の前に返しに来るね」

「うん」


教室に戻っても、頭の中はあの子のことばかり。
特に目立つような子でもないのに、どうしてか気になる・・・。
くるくるとシャーペンを手で弄んでいるうちに一時間目の授業はあっという間に終わってしまった。号令が終わるとざわざわとまた騒がしくなる教室を後にして4組に行くと、また祐希たちが話していた。
いや、どっちかっていうと、祐希とその子が春の話を聞いている様子に見える。
話を聞いている最中に時々にこりと笑って相槌を打っている。



あ、また笑った
(ゆうたー、今日はどこで食べる?)
(・・・・・・ん?ああ、祐希たちに任せるよ)
(大丈夫?ぼーっとしてるけど)
(ん、まあ)


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