Rainbow | ナノ
熱を出した次の日には、もう平熱に戻っていて、今から家を出るところ。だけどたっくんが、春ちゃん以外の3人に会わせたくないらしく学校を休みなさいと何度も言ってくる。そこで揉めていると、家のチャイムが鳴った。きっと春ちゃんだろう。
たっくんを振り払って玄関まで急いだ。


「ごめんね、春ちゃ・・・・・・ん?」

「あ、杞紗ちゃん。おはようございます」

「あれ、どうして悠太くんと祐希くんもいるの?」


私が扉を開けた先には、春ちゃんじゃなくて悠太くんが立っていて、その後ろに祐希くん、春ちゃんと並んでいる。悠太くんと祐希くんというキーワードが聞こえた様子のたっくんは叫んでこっちに走ってくる音が聞こえて、バタン、と扉を背中で閉めるとごんっと音が聞こえる。早くこの場から逃げよう。ぐいぐいと3人の背中を押して私の家の門をくぐった。


「辰也さん、相変わらず元気ですね」

「うーん・・・元気って言葉でまとめていいのかなぁ」

「いいんじゃないの」

「元気というより騒がしいが合ってると思います」


祐希くんの言葉に、そうだねと言って笑った。急に春ちゃんは要くんという名前を出した。前を見ると、本を読んでいる要くんが居てみんなで要くんのところまで駆け寄った。


元気よくおはよう
(かっなめくん!)
(ぅおっ、なんだよ朝から)
(なんだよは要だよね)
(おい、俺が何した)



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