Rainbow | ナノ
寒い季節の冬から、少し暖かな季節になった春。桜が咲いて色鮮やかになった木。


私たちは高校二年生になった。


幼馴染みの五人も一緒に進級して、仲良く屋上でお弁当を食べている。2年5組になった私と春ちゃんと悠太くん。そして、その隣のクラスの4組になった祐希くんと要くん。


「杞紗の弁当は相変わらずおいしそうで」

「あっ。もう、祐希くんってば自分のがあるでしょ」

「人の弁当こそおいしく見えるって言うじゃないですか」

「ま、まぁまぁ。杞紗ちゃん、僕のサンドイッチあげますよ」


桜と同じ髪の色をしている春ちゃんはそういって弁当箱を私の方に差し出した。だけど、春ちゃんからもらうのは何だか悪くて、大丈夫だよと言って笑うと、にこりと春ちゃんも笑ってくれる。おかずが一つ減ったお弁当を見ていると、要くんはぶつぶつと何かを言っていた。
そこで、予鈴が鳴ってお弁当を片付けてから、私たちは屋上を後にした。


「・・・あ、宿題忘れちゃった」

「俺の見る?」

「ありがとう、悠太くん!ぜひ見させて下さい」


クラスが別の祐希くんと要くんと別れて、自分の教室に戻ってすぐに悠太くんにノートを借りて見せてもらった。綺麗に字が並んでいて、とってもわかりやすい。最後の問題と答えを移し終わったと同時ぐらいに先生が入ってきて、私の前の席に座る悠太くんにノートを返した。


春が来て、こんにちわ
(ありがとー、助かったよ)
(次は自分でするんだよ?)
(はーい)

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