Rainbow | ナノ
あっきーとこーちゃんには、後は大丈夫だよ、って言って別れて家までの道を歩いていると前から見たことある三人が現れた。向こうも私に気付いて近づいてくる。まだ春ちゃんの家にいたんだね、と笑って言うと祐希くんが、要が帰りたがらなかったんだよね、と言って驚いた。だって、学校では色々言ってたのに。


「舞音ちゃん可愛いでしょ?」

「・・・あー、そうなんじゃねーの」

「要ってば素直じゃないね」


うるせ、って照れた顔をする要くんを見る限り、舞音ちゃんのことを気に入ったのかな。にこにこと笑ってると、何笑ってんだよって頬を抓られた。それでも笑ってる私に諦めたのか、手が離れる。気がついたら祐希くんが後ろから乗っかっていて、悠太くんは杞紗はどこに行ってたの、って言うからたっくんのお店だよって言うと、間があく。


「え?どうしたの?」

「・・・いや、一人で行ったの?」

「違うよ。たっくんの幼なじみの人と三人で」

「そうですか」


うん?って言ったけど皆何にも答えなくて、そこで要くんが帰るかって言って別れることになった。バイバイって手を振って私も自分の家に足を進める。あっきーとこーちゃんと同じように送るって言ったけど、もう目の前だしって断った。みんな心配性なのかな?

家に帰って、お風呂に入ってリビングでたっくんの帰りを待っていると、夜の11時を回ったころにただいま、という声がしたから玄関まで迎えに行く。


「お疲れ様!」

「はー、すっげー疲れたー・・・」


充電、とか言いながら抱き着くたっくんに笑って私も抱きしめ返した。


大好きなお兄ちゃん
(帰りに悠太くんたちと会ったよ)
(な!?な、何もされなかったか!?)
(え?うん、するわけないよ)
(いや、男は分からん!)

0908