Rainbow | ナノ
こーちゃんとあっきーと一緒に街を歩いていると、いろんな女の子が振り向く。だって、二人かっこいいもんね。ふふ、と笑っていると、あっきーが杞紗ちゃん人気者ーと言った。私じゃなくて、二人だよ!なんて言ったけど、こーちゃんも杞紗ちゃんが人気だと思うよと言った。


「えー、なんで?」

「男の子も振り向いてるだろ」

「・・・女の子のが振り向く回数多いもん」


まあ、どっちも振り向いてる・・・でいいじゃん。こーちゃんはポンポンと私の頭を優しくなでてくれた。突然、あっきーが私の顔を覗き込んできて、杞紗ちゃん顔赤いー。照れたんだ、なんて言って笑ってきた。
あっきーのばか!そう言って怒っても、にこにこと笑うだけで何も言ってこない。


「あ、ほら着いたぞ。辰也が働いているレストランに」


私たちに苦笑いしながら、こーちゃんはレストランを指差した。たっくんの働いているこのレストランは有名で、そんなレストランでたっくんはメインコックさん…みたいな感じ。豪華な雰囲気で、でもすっごく高いわけじゃないところが人気なのかもしれない。三人で中に入っていくと、案内人でいつも優しくしてくれてる大山さんが気付いてくれて、席に案内したあとたっくんに伝えに行ってくれた。


「おお、杞紗来たのか!あと、晃一とあきらも」

「ちょっとたっくんー。僕らはおまけ?」

「うるせえ、あきら。杞紗、好きなだけ食べろよ」

「ありがとー、たっくん」


笑うと、たっくんはくぅ〜と言って、店長さんに連れて行かれた。店長さんも奥に戻るとき、笑顔でゆっくりしていってね、と言ってくれたから、はいと返すとひらひらと手を振ってくれた。
何にしようか、と三人でメニューを見て、大山さんに注文をした。それから出てきた料理は、魔法のようにキラキラと輝いてみえて、味もとってもおいしかった。全部食べて、たっくんと店長さんと大山さんや働いている人達に挨拶を少しだけして、お店を出た。


魔法の料理と時間
(今度、杞紗ちゃんの手料理食べたいなぁ)
(たっくんより上手じゃないけど、いいの?)
(僕、杞紗ちゃんのだったら何でもおいしく食べれると思う)
(ふふ、ありがとう。こーちゃんもおいでよっ)
(じゃあそうさせてもらうね)

0402
大山さんはちょっと50代くらいのベテランさんのイメージです。店長さんは、30後半でプロに認められるような腕前さんです。たっくんは、そんな店長さんに声を掛けられた・・・みたいな感じです。