neta | ナノ
男主、腐要素有?

どうも此処の所、よく寝ている姿を見る。黒子は机に伏せてしまっていて、授業を全く聞く気のない名前の背中を見ていた。初めの頃は、ノートと向き合い真面目に勉強をする姿が見れていたのだが。もしかすれば彼に何かあったのかもしれない。そして、寝る暇も惜しんでいるような状況になったのかもしれない。不安が頭の中へと過り、終礼のチャイムが鳴ると、まだ伏せたままでいる名前の元へと歩み寄った。
影の薄い黒子が近づいても気付いてくれていたはずだが、今は熟睡をしているのかピクリともしない。名前の隣りの窓から風が入り込めば、綺麗なオレンジ色の髪を揺らした。しっとりとして柔らかい髪を触って羨ましい、と黒子は心の中で思った。黒子が触ったことに寄ってか、小さな声で唸った名前は起き上がり、まだ眠そうな目で黒子を見た。

「あ、おはよう、くろこ」
「よく眠ってましたね」
「んー、最近眠れなくてさ」

やはりそうだったのか。何かあったんですか、と呑気に欠伸をする名前へと問えば、目の色を変えた。このゲームが楽しいんだ、と見せられたスマートフォンには最近流行っているらしい吹き出し風の皆で話しをするアプリの連携のゲームだ。何か重大な事なんだろうと思っていた黒子は、安心したと共に呆れた。そんなものの為に授業中に寝てしまうなんて。赤司のように頭がいいのであればまだしも、黄瀬とあまり変わらない点数の名前が授業を聞かなければ青峰と同じだ。そう考えて、溜息が出てしまった。

「そういや、さ」
「何ですか」
「黒子って携帯持ってなかったっけ?」
「言ってませんでしたかね。つい最近買ってもらいました」

立ってしまえば自分よりも少しばかり背の高い名前が、今は黒子を見上げている。見上げられるなんてことをあまり経験したことのない黒子は新鮮な気持ちになった。聞いてない、と拗ねる名前は自分の携帯を出して赤外線しよう、と笑った。名前も黒子と同じく表情をあまり出さないタイプで、こんなに人がいる時に笑うなんてあまりないことだ。おかげで、クラスの女子は少し騒ぎ出してしまった。当の本人はというと、先ほど言っていたゲームをしているのか難しそうな顔をしている。

「今は電源を切っているので放課後でもいいですか?」
「え、まじで。真面目だな」

目を真ん丸にさせて驚いたが、すぐに分かったと頷いた。少しばかり黒子の気持ちが浮かれていたのは、きっと黒子本人しか気づかないだろう。自分の電話帳に名前の名前が増える事が待ち遠しくて仕方がなかった。早く放課後になってほしい。授業中に何度もそう思った。



13/01/07
今までと違う書き方にしました。
ここの男主は基本共通です。