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if、黒子が保父さん、キセキ数人園児

ちょこちょこと小さな歩幅で一生懸命走る涼太くんが相変わらず可愛くて頬が緩む。私ってばブラコンかなぁ。なまえっち、なんて可愛らしいあだ名で私を呼んだ涼太くんは、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら大きく手を振った。ゆっくり歩いていた足を少しだけ走らせる。

「みてみて!たんぽぽっス」
「ほんとだねぇ」
「…そうだ、くろこっちにあげようっと!」

涼太くんの突然の言葉に、びくりと肩が上がる。もう、私ってば反応しすぎ。そうなんだ、と言って進もうとすれば、くいっと手を引かれて見てみれば、ふにゃりと笑ってたんぽぽを差し出してきた。黒子先生にあげないの?と聞けば、名前っちにもあげる!と言って、もう片方にはたんぽぽがあった。嬉しくて、ぎゅっと抱きしめてあげると、涼太くんは喜んだ。

「涼太くんすきだよー」
「おれも名前っちダイスキっ」
「朝から仲良しですね」
「っ、く、くく黒子せんせ…っ?!」

突然の聞き覚えのある声に、どきりと心臓が跳ねる。ふわり。柔らかく口角を上げる黒子先生に、じわりじわりと頬が熱を持ち始めた。なんか、恥ずかしい所見られちゃった…。私が余所を見て、気持ちを落ち着かせていれば、傍にいた涼太くんは黒子先生に飛びついていた。可愛い涼太くんに、かっこいい黒子先生。写真、撮りたいなぁなんて変なことを考えていた頭を振ってリセット。

「あ、の、此処まで来てくれたんですか?」
「…ああ、はい。名前ちゃんが遅刻しそうなんで」

え、い、今、名前ちゃんって!落ち着かせたのに、意味が無くなってしまった。反応を示さない私に、黒子先生は、もう8時10分ですよ、と告げる。…あれ、8時10分?ブレザーに入っている携帯を取り出せば、確かにそうだ。うそだ、ゆっくりしすぎた…。涼太くんのことお願いします!と一言告げて急いで走る。遅刻だけは…!


レ モ ン と 足 音

12/12/11
キャラブックのIFでの黒子が保父さんのパロです。黄瀬くんは弟。後に出てくるかもしれないのは、青峰くんと火神と高尾…の誰かかなと考えてます。