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黒バス原作沿い、洛山夢主

洛山高校に入って、約1ヶ月ほどが経った頃には、もう学校生活にも部活にも慣れていた。赤司に誘われて入った部で、いつも通りスコアを取っていると、笛の音が鳴り休憩に入った。
はい、と皆に渡していき、最後に赤司に渡せば、汗はかいていたけれど清々しい顔で受け取る赤司。

「名前、今度海常高校で誠凛高校と練習試合があるそうなんだ」
「…どこで手に入れたの、その情報」
「海常には涼太がいる。…それと、誠凛にはテツヤがいるらしいんだ」
「…様子を見てくればいいの?」

ああ、と手短に返事をする赤司の言葉の直後に、また笛の音が鳴り休憩が終わった。後で日時と時間を言うよ、と去り際にそっと言って、コート内へと入っていった。それは、私に待っとけっていうことだよね。ふう、と自然と漏れる溜め息に、また溜め息が出そうになる。エンドレスになる、と気づいて途中で止めて、また皆の成績をボードに記入していった。

***

お疲れさま、と去っていく先輩方に私もお疲れ様ですと言っていく。先輩方のほとんどに挨拶をしたけれど、なかなか赤司が出て来ない。たくさんの部員が帰って行った道を見ていれば、暫くぶりに開いた扉。やっと出て来たかと壁から背を離せば、実渕先輩たちだ。

「あら、征ちゃん待ち?」
「はい」
「今一番後ろにいるからね」

にこりと人のいい笑みを浮かべて、実渕先輩は進んでいく。続いて根武谷先輩、葉山先輩と出てきて、最後に赤司が出て来た。戸締まりをする赤司の隣に立っていれば、葉山先輩が一緒に帰るの?とコテン、と可愛らしく首を傾げた。くすくすと笑ってしまい、いけない、と自分を叱り、一緒に帰りますか?と葉山先輩のように可愛くないけれど、向かい合いの反対方向に首を傾げて先輩の真似をする。

「まじで?いいの?!」
「はい。ね、赤司」
「…ああ、構わないよ」
「じゃあ皆で帰ろーう!」

元気よく歩き出す葉山先輩は、星空に向かって拳を作った。きっとレッツゴーのサインなんだろう。実渕先輩は葉山先輩と根武谷先輩に注意をしていて忙しそうだと、後ろから見て思った。ちらりと、隣りを歩く赤司を見ると、目が合った。スッと差し出されたメモのような紙には、部活中に言っていた海常と誠凛の練習試合の日時が書いてあった。頼んだよ、と封筒も渡される。きっと、往復のお金が入っているそれを受け取り、分かったよキャプテン、と言えばくすっと笑った。



12/12/11
原作沿いの、洛山夢主です。原作といえば誠凛夢主が多いかな、と思ったので敢えての洛山にしてみました。秋田だと遠いし、神奈川は近いけど黄瀬くんと同じ学校だと話が進まないかなぁ…って。