プロムナード | ナノ


辰也くんと大我くんと家を出て学校へと向かった。学年ごとに下駄箱が別れているからと、辰也くんとは門の所で別れて、大我くんと一緒に教室へと向かえば、ほとんど生徒が揃っていて、まだ友達が出来ない初日には皆席に着いていた。皆の視線を集めて、少したじろいでしまったけれど、気を入れ直して。昨日の並び順で席に座れば、既に座っていた隣の席の男の子がニコリとはにかんで、おはよう、と挨拶をしてくれる。とても優しい笑顔で笑ってくれた彼に、自然と私の顔も綻ぶ。

「おはよう」
「何ちゃん?俺、高尾和成っつーんだ」
「高尾くん?私は白野ひまり!好きに呼んでね」

高尾くんは、ひまりちゃんね、と笑って、俺だけひまりちゃんって呼ぶの恥ずかしいから俺のこと呼び捨てか下の名前がいい、と言うものだから、分かったと頷いて和成くんと呼ぶことにすれば、和成くんは歯を見せて笑って、サンキュと短くお礼を言ってきて私も笑った。話しが盛り上がっている途中で、視線を感じて斜め前を見てみれば大我くんがこっちを睨むようにして見ていた。大我くんの目つきの悪さには慣れないもので…。

「どうしたの?」
「…なんでもねーよ」
「大我くん、変だよ?」

そして、朝の予鈴が鳴ると同時に入って来たのは、生徒会の人たちで派手な頭がたくさん目に入って来る。ちなみに、大我くんの右隣が青髪で、その後ろに赤髪。私の隣…兼、大我くんの後ろが金髪、その後ろが水色だ。他にも数人いるけど、私よりも後ろの方だからよく見えない。とりあえず、このクラスはカラフルな頭が多いらしい。一人で納得をしていれば担任の先生が入って来て、朝の号令が始まる。

***

学校の話を聞いたりと、ちゃんとした授業がまだ始まらず、午前中に授業が終わった。斜め前で寝たままの大我くんを起こした途端、腹が減った、なんて何にもしてないくせに言い出して。まあ、お昼だし私もお腹空いたし。手頃な値段のマジバに行く事にする。

「…青峰君、起きて下さい」
「青峰っちー!」

大我くんの横の席の青い髪の男の子も寝ていて、細見な二人が一所懸命起こしていたのが教室を出る時に目に入った。青峰くんって言うんだ。私と一緒で苗字に髪の色が入ってるなんて、嬉しいなぁ。クスクスと笑っていると、金髪の人が振り向いてきて、鋭い目つきを向けられた。

「なんスか?」
「え、いや、なんでも…」
「お前こそなんだよ」

笑われたのが嫌だったのかな…。次から気を付けないと、人の気を悪くしてしまう。喧嘩を売り始めた大我くんに、なんで大我くんが怒るの、なんて笑って背中を押して教室を出た。

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