BIRTHDAY | ナノ
見た目通り短気な勝呂と、女の子だったら誰でも良い志摩。そんな二人の中間にいるのが三輪くん。あの穏やかな性格で怒った事なんて見たことがない。いつものように喧嘩をする勝呂と燐の喧嘩を宥めるのは三輪くんの役で、苦笑をしながら彼は止める。そんな彼の手助けのつもりで、私もしえみちゃんと一緒に燐を止める。ふと目が合った時に大変だね、と語り合っているように感じたりする、それが幸せだったりした。


学校が終わってから、祓魔塾へと向かっている時に珍しく一人だった志摩が声をかけてきた。本当に女の子に媚びるのが好きだな、と発言を聞いて思ってしまう。だけど、遊びに誘っていた言葉は止まってしまい、思い出したかのように三輪くんの誕生日だと言い放った志摩。

「子猫さんに何も買うてないわ、どないしよう」
「…三輪くんの誕生日」
「坊は用意してはるやろうし、どないしたらええと思います?」
「分かんない。自分で考えなよ」
「そんな薄情な!」

私も何も用意できてない、どうしよう。出来る事なら、最高のお祝いをしたかったのに。はあ、と二人揃って溜息が被ってしまった。そこでまた声が聞こえて、噂の三輪くんと勝呂だった。どうしたんですか、と笑顔を見せる三輪くんを見て少しだけ癒されてしまった。

「三輪くん、お誕生日おめでとう」
「あ、知ってたんですか?ありがとうございます」
「それでね、プレゼント何にもなくて…」
「ええですよ。気持ちだけで嬉しいです」

さあ、入りましょう。と教室の扉を開けた。相変わらずの大人な対応に、いつも可愛いと思っていたのにかっこよくて、志摩とか勝呂とかと大違いだと思った。
気持ちだけでええんですか、と目を輝かせた志摩に勝呂が、お前はもっと感謝を出せ、と頭を叩いていた。
うん、この三人でいる笑顔の三輪くんが好きだな。とか思って、やっぱりプレゼントは買おうと決めた。

Happy Birthday

01/07 子猫丸聖誕祭