111 | ナノ
私のクラスの狼谷くんは、鹿島くんが入っているベビーシッター部に兼部している。野球もやっていて、それもするなんて凄いなぁって思うし、何より今まで以上に女子ウケがいいらしい。私の友達も良いとか言ってたし。

「…なんだよ」
「え?あ、子供って可愛い?」
「…あー、そうでもねぇけど」

頭を掻きながら言った狼谷くん。子供苦手なのかな?そう考えていると、弟がいるらしく可愛くないだとか。だから迷ったのか。
いいなぁ、子供。と私が呟くと、狼谷くんは明後日の方向を見たあとまた私に視線を戻した。

「まぁ、今度…来るか?アイツらも、喜ぶ…と思う」


躊躇う
(お前は好かれる、と思う)(…じゃあ、今度行こうかな)

0814