111 | ナノ
「お前は、本当にいいのか」
「ええ。もちろんですよ」

二人だけしかいない空間。少しばかり重い。

お前は残れ。それしか言わないで土方さんは出て行こうとした。
だから、私は嫌ですと言えば目を見開いて、ついて来るって言うのか、と言った。
ええ、と頷けば溜息を零す。そして冒頭へ。

「京は治安が悪い」
「ええ」
「女のお前が俺らといれば…」
「分かっています」

重々しい空気の中で、口角を上げて彼を見た。
私は、近藤さんや土方さんの背中をずっと追いかけるつもりです。何があっても。

「それに、戦力がいるでしょう?」
「……ああ、そうだな」

くすり、と土方さんも笑った。

誓う
生涯、貴方から離れないつもりです。

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