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暇だねえ…と、同じ部屋にいる悠太と祐希に言うと、悠太はそうでもないけど、と言って祐希は別にと言った。なんだか二人とも冷たいよ。せっかく遊びに来てあげたのに。寝転がってアニメージャーを読む祐希に、勉強をする悠太。お客さんが来てるのに放置するところとか凄く似てるよね、きみたちは。…なんて、口に出して言えないんだけど。


「ひーまー」

「それ言うためだけに人の家に来て、こっちは迷惑です」

「祐希ひどーい。ねえ、要の家に行こうよ」

「なんで要なの」


なんでってそりゃあ面白いからだよ。勉強を中断してこっちを見る悠太に言えば、ふうんと特に興味なさそうな返事をした。あー、ほんとうに暇だー。ごろん、と祐希の横に寝転がってアニメージャーを覗き見すると、はあと溜息をついた祐希は起きて座った。酷い、避けられたよ今。明らかに避けたよ、今。


「悠太、祐希がひどい。逃げたよ、今」

「別に逃げてないけど」

「だって、寝てたくせに急に座ってさー」

「…俺は名前が悪いと思うよ」


悠太が突然心外なことを言った。なんで私が悪いの、と聞けば、いいから座りなさい、とお母さんみたいなことを言い出した。こうなった時の悠太って凄くめんどくさい。だから正直に従う事にして座った。悠太はそれを確認すると何も言わずまた勉強に戻った。もう、今日の二人冷めてるよ。いや、それはいつもの事だけど、なんか私のこと避けてるみたい。


「ねえ、やっぱり要の家に行こうよ」

「行ってもいいけど名前が着替えたらね」

「なんで、これでいいじゃん」


祐希ってば変なこと言うなあ。このスカート最近買ったばかりで、すごく気に入ってるからこれで行きたいのに。もちろん寒いから黒のレギンス履いてるけどね。可愛くない?似合わない?と聞けば、悠太と祐希は目を合わせて、私を見て、別に似合ってないわけでも可愛くないわけでもないと言った。
じゃあ、なんで?


オトコノコは狼さん

とにかく着替えてきなさい、と今度は祐希がお母さんになって、いいじゃん別にと言うと、要と千鶴には見せない方がいいから言ってるんだよ、と悠太は言うけど、なんで見せたらだめなのか余計に分からなくなった。いいじゃんもう、行こうよ。そう言って玄関に行って靴を履けば渋々と言った感じで二人が来た。とりあえず、ズボンに履き替えなさい。まだ言ってくるお母さん。とりあえず無視して要や春、千鶴に電話をした。


0327
一花さん、リクエストありがとうございました!こういう仕上がりになりました(きりっ)楽しかったです。ニヤニヤできました。これを書きながら、悠太も祐希も結局おとこのk(ry なんだよ、と思いました(←)