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幼なじみで、長い間片想いをしている相手からの電話があった。ドキドキとしながらも出ると、熱っぽい声で家に来てくれない?というお願い。その時は、疑うことなんてしなくて、ここから数分で着く悠太の家へと歩いて行った。インターホンと共に出てきた悠太の額には冷却シートがしてある。熱?と聞けば、静かに頷いて奥に引っ込んでいくから、急いでついて行った。熱だって言ってくれたら、薬とか買ったのに。だけど、もう必要なものは一通り揃っているらしく、あとは食事だとか。
待っててね、と告げて準備に取り掛かる。お粥なんて、簡単に作れるのに。


「できたよ」

「…ありがとう」


ゆっくりと一口ずつ口に運んでいく悠太。それにしても、悠太が熱を出すなんて珍しい。ぼんやりと見ていると、食べ終わったみたいでお皿の中はキレイになくなっている。あとは薬だね、と悠太の手にお水と薬を。


「…熱って、人に移すといいんだって」


唐突に言った悠太の言葉が聞き取れなくて、もう一度聞き返すと、こういうこと、と一言言えば引っ張られた。気がつけば、温かい唇と唇が重なっていて。頭の中は混乱していって、悠太を突き放して家を飛び出した。うそ、こんなつもりで来たわけじゃないのに…。それに、付き合ってすらないのに。もしかしたら、誰にでもこういうことするのかもしれないなんて思って、悲しくなったり赤くなったり。

ぐるぐると頭の中を巡って離れない。そんな日が何度か続けば、体調を崩したのか、悠太のが移ったのか、熱が出てしまった。節々が痛くて、きつい。そんな時に、家のインターホンが鳴って、ノロノロと玄関に向かい開けて見れば悠太だ。


「今度は俺が看病してあげるよ」


ああ、もう、頼るしかないか。さて、余計に上がった気がするのは、熱が上がったのか、悠太とのことに恥ずかしくなったのか。今分かるのは、だんだんと暗くなっていく視界に、もうダメだなぁってことくらい。


彼にお熱

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リクエストありがとうございました!遅くなってしまい申し訳ありません…!歌詞とはだいぶ違いますが、イメージ…という感じで!年齢操作してますので、たぶん21…くらいかと。イタズタ悠太くんです。こんな悠太もいいかなぁ…て。ぜひこれからも、当サイトをよろしくお願いします!

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恋色病棟/OSTER project様 feat.初音ミク