thanks | ナノ
久々の休みだ。ワクワクしながら、深めにフードを被った。こんな風に外をゆっくり見れたの、何年ぶりだろうか。色んな道を通って、裏道から抜けると皆上を見上げて携帯を向けているものだから、自分も見てみると見覚えのある看板だ。やばい、と思った時にはもう遅くて、風が吹いてフードが脱げた。通行人が、見上げていた人が、みんな私を見て騒ぎだす。急いで踵を返して、走った。


(・・・私のドジ、)


何とか逃げ切って、息を整えていると騒がしくなる周り。嘘、またバレた。また走った。なんであの時に、何にも考えなかったんだろう。人通りのない路地裏で張られたポスターを眺めていた。普通に、生活したい。そんな風に考えていたら、目の前が滲んできて、涙が出てきた。楽しいことばかりじゃない、この世界で、ここまでくるのは大変だった。あるなんて思わなかった先輩からの苛めや、ファンレターと混じった暴言ばかりの手紙。全部・・・、全部耐えてここまでこれた。けど、普通に生活も出来ないんじゃ、もうやめたいよ。


「・・・大丈夫ですか?」

「っ!」

「あれ・・・名前ちゃんに似てない?」


ああ、またバレた。逃げなくちゃ。そう思っていると、眼鏡を掛けた少年が出てきて、今はただ一人の人間だろ、と言った。そうだよ、ずっと芸能人やってるわけじゃない。安心しちゃって、ありがとう、と笑うとその後ろから可愛らしい女の子?が現れて、どうぞ、とハンカチをくれた。


「ま、いいや!俺らと一緒に遊ぼう!」

「・・・で、でも」

「大丈夫ですよ。これ被れば」


あれ、この子・・・さっき最初に声かけて来た子と似てる。そう思っていれば、その子が被っていた帽子を被らされて、その上からフードを被った。これだとバレませんよ、と言う最初の子。うん、と笑って不思議な髪の子に手を引かれるまま、たくさんの場所に行った。


楽しんだもん勝ち!



たくさんの声援が聞こえて、最初の頃から変わらないドキドキ。それよりも、やっぱりやだなぁなんて思い始めて、握りしめていた携帯が震えて開けば、悠太くんからのメールで、楽しみにしてます、という一言と添付ファイル。開けば、6人で撮ったプリクラ。ああ、頑張らなきゃ。いつの間にか自然に笑えていて、用意されていた衣装とは違う祐希くんから貰った帽子を被って、春くんから貰ったハンカチを一度見てステージに駆け出した。

1016
リクエストありがとうございました!PVがほとんどですね。でも、楽しかったです。千鶴と要からのものがないですけど、まあ、・・・・・・まあ。カゲプロのPVにハマりすぎてヤバイですね。イメージそのままモモちゃんですね、はい。これからも当サイトをよろしくお願いします!

thanks!
如月アテンション/じん(自然の敵P)様 feat.IA