thanks | ナノ
なんで俺は妹の誕生日プレゼントを買わなきゃいけないんだ…。あいつ我儘だから、何あげても文句とか言いそうだしなぁ。少し恥ずかしかったけど、女の子とかが好きそうな可愛らしい小物を売っているお店の中に入った。


「いらっしゃいま……あ、真島くん」

「あ、苗字さん、」


驚いた表情のあと、苗字さんはニコリと笑っていらっしゃいませと言った。ペコリと頭を下げる俺。
どうしたの、と聞いてきて理由を説明すると優しいんだね、と笑ってオススメのものを教えてくれる苗字さん。どれも可愛いもので、こんなに店のこといっぱい知ってるってことは、この店が好きなんだろうなあ、と少し関心した。


「苗字さんはどういうのが好き?」

「んー、こういうのかなぁ」


苗字さんが指さしたのは小さい木箱のオルゴール。やっぱり女の子なんだと思った。千早だったら、変なベアーのとか言いそうだからな。少し新鮮。

妹の好きそうなものと、木箱のオルゴールを持ってレジに持っていった。


「あ、これにしたんだね。もう一つは千早ちゃんに?」

「え、いや、そういうわけじゃ…」

「そっか。2点で1690円になります」


ちゃりん、と俺の手から苗字さんの手にお金をおく。ありがとうございました、と礼をする苗字さんにスッとさっきの木箱の入った箱を出すとキョトンとした顔で俺を見た。

今日のお礼と思って、と言ってその手に箱を乗せて俺はすぐに店から出た。


渡す理由は照れ隠し

苗字さんが笑ってくれたり、優しいんだねって言ってくれたり、お金を渡すときや袋を貰ったときに手が触れてドキリとしたとか、それを何と言うか俺は知っている。けど、やっぱりそれを表すのとか恥ずかしい。次からは、きちんと伝わるようにしたいけど、今回だけは…。

0312
ちょっぴり意味不明な仕上がり…(がびーん)
ゆうみさんリクエストありがとうございます!いつも感想とか送ってくれて、すっごく嬉しいですっ。ここに来た時は、毎回読み返しています(←)これからもよろしくお願いします!