thanks | ナノ
求めて、求められて。人間っていうのはそういう風に成り立っていると私は思ってる。必要とされない限り生きてる意味なんてない。だから私は必要とされる人間になるために、外では猫を被って、求められれば拒まない。なんとも思わないと言えば嘘になるけれど。空いた教室で男は気持ち悪い笑みを浮かべて、また連絡するからと一言だけ残すとさっさと出て行き、私は服のボタンを留めていた。そしたら、ガラリと開いた扉に驚いて振り返れば、学校でも有名な双子の片割れが立っていた。


男なんて皆同じでしょう?



どちらも喋らない時間が続く。私はボタンを留める手を動かし、彼も此処から違う場所へと行くだろうと思っていた。けれど、退きもせずに出入り口に立ったまま。着替えが終わり、服装を整えて彼に近づく。そして、いつも先生や他の生徒に見せている笑顔で、どうしたの?と聞く。いつも演じて来たんだ。だから、大丈夫。


「・・・学校で、そういう行為はいけないと思います」

「そういうって・・・?」

「とぼけないでください、会長さん」


変なこと言うのね、と彼の横を通り過ぎようとした。その時、ぐっと腕を引かれてしまって彼とまた向き合う形になる。それでも怒らずに、まだ何か?と私が聞いて、彼はピクリともせず、いつもそんなことしてるんですか、と言った。ああ、もう。この手のタイプは初めてで、少し苛々し始めてしまい、ついに彼の襟首を掴んで屈ませると私の唇と彼のそれをくっつけさせた。唇を離して彼を見たけれど、全く動じずに涼しい顔をしている。


「口止め、ですか」

「よく分かったね。そういうことよ」

「・・・それじゃあ直ぐに話しますよ」


彼の言葉に驚いてしまい唖然としていると、今度は向こうから顔が近づいて来て私のそれを奪った。離れた時に笑って彼を見れば、いつの間に取ったのか私の携帯を手にしている。何をしているの、と聞けば何も答えずに彼のものと思われる携帯を取り出してアドレスを交換しているようだ。俺のアドレス入れときました、と言われ返される。それを受け取ろうとした時、スっとその手は引っ込んでしまい彼は言葉を繋げた。


「他の男の人のアドレスは消しときました」

「・・・ずいぶんと勝手なことしてくれるのね」

「俺がいるから必要ないです」

「・・・へえ?」


じゃあ、その証拠を見せてよ。そう言いながら彼の首に腕を回して背伸びをすれば彼も背を屈めてきた。
その後、アドレス帳を見てみれば浅羽祐希、という文字。今度、祐希って呼んであげよう、と一人でクスクスと笑っていれば目を覚ましたのかぎゅっと私を抱き寄せる。


0902
リクエストありがとうございました!なんかエロイです・・・(゚Д゚;)書いたり消したり書いたり消したりの繰り返しで完成いたしました!ヒロインちゃんは生徒会長です。祐希とは同じ学年です。なんか目チカチカしますよね、ごめんなさい!いや、欲求不満の色が紫と聞いたもので、全て紫で仕上げましたらこうなりました。ぜひこれからも宜しくお願いします!

thanks!
え?あぁ、そう。/蝶々P様 feat.初音ミク