thanks | ナノ

真っ暗で何にも見えない場所に閉じ込められていた私にいつも手を差し伸ばしてくれたのは彼だった。何してるんですか、って固い表情だけどとても優しい声。私はその手に縋ることが出来た。・・・ううん、彼だから縋れることが出来たのかもしれない。彼じゃなかったら私はきっと一人ぼっちのままだ。考えたら怖いこと。だけど、現実と想像は全然違うもの。だって、実際私は陽の下にいるから。暗い夜になっても、私のとっては一番星の彼がいる。だから、何にも怖くない。


わたしの一番星



待ち合わせ場所で時間より少し早めについた。わくわくと早く来ないかなぁ、なんて思っていれば遠くに影を見つけて嬉しくなる。ぶんぶんと大きく手を振っていれば、祐希くんも私に気付いた。目の前に立つと、気付くの早くないですか、なんて言われたから、そんなの普通だよなんて笑った。ちょっとだけ和らぐ雰囲気に頬が緩む。へへ、と笑っていたら頬をつままれた。


「何で笑ってるんですか」

「んふふ、なんでもないよー」

「・・・変な顔」


祐希くんの呟いた言葉が聞こえて、え!と声を上げてしまって笑われた。もうっ、だって変な顔なんて言うからでしょ!なんて言うけど気にしてなくて、行きましょうか、と進む方向を指差す。うん、と頷いて祐希くんのあとをついて行った。ついた先はゲームセンターで、とっても大きな場所。シューティングゲームとか、いっぱいいっぱい一緒に遊んで、UFOキャッチャーで人形も取ってもらった。
本当に、楽しくて幸せな時間。


「・・・じゃあ」


私を家まで送ってくれた祐希くんはそう言って去っていこうとした。だけど、まだ離れたくなくってつい裾を掴んでしまう。そしたら、ちょっと驚いた表情をしたけど、私の手を握ってくれて、小さく笑った。


「夜、電話します」

「・・・うんっ!」


いつも私の言いたいことを言わずに分かってくれて、今日もだ。やっぱり祐希くんはステキな人。キラキラと輝いていて、こんなに暗い夜道でも祐希くんの背中だけは今でも見える。私、もう祐希くんしか見えないのかもしれないって思いたくなるほど、祐希くんが好きだ。大好き。夜は、そう伝えようと思って楽しみにしながら家に入った。どんな反応するかな?


0817
めあさんリクエストありがとうございました!良い曲すぎました・・・!最初は悲しく甘い感じにしようと思ったんですけど、歌とPV見ていたら明るい話のほうがあうかもっと思って作りました!敬語祐希!優しい祐希!ちなみに二人はクラスメイト設定です。一人ぼっちでいたヒロインちゃんをたまたま見かけた祐希が、悠太に誘っておいでとか要にクラスメイトだろ、って言われて声を掛けたらいい子で好きになっていたっていう話です。幼なじみ+千鶴が恋のキューピット(笑) ぜひこれからもよろしくお願いします!

thanks!
I will find a star/ゆよゆっぺ様 feat.GUMI