thanks | ナノ


「け、結婚して下さいっス!」

「・・・え?」


正直、目を疑った。いや、耳もか。だって、あの黄瀬涼太・・・イケメンで人気モデルでバスケも上手い黄瀬涼太くんに告白・・・というか、プロポーズをされるなんて。とりあえず一つ。私と彼は付き合っていません。だからそんなの答えなんて決まっていて、ごめんなさい、と言おうとした私の声を遮って、返事はまた今度でいいっスと言って去って行ってしまった。


スキとキライの二択



グルグルグルグル。あの告白ってありなんだ、と頭の中で繰り返されるさっきのこと。告白は、まあ数回はあったけれど、付き合うをすっ飛ばして結婚なんて初めて聞いた。一人移動教室だからと廊下を歩いていると、さっきまで考えていた彼、黄瀬くんの黄色の頭と青色の頭の・・・えっと、青峰くんだっけ?それと、緑の頭の・・・緑間?くんがいた。・・・あ、あと黒子くんもいた。キラキラと顔を輝かせる黄瀬くんの顔は、やっぱりモデルでふいにかっこいいなんて思ってしまう。柱の影に隠れて彼らを見ていると、黒子くんが苗字さんに告白したんですね、と言った。どうやら私の話をしているらしい。


「はいっス!もう返事は決まってるはずっスけど、時間あげたんスよ!」

「あげる必要などないだろ。苗字の答えはお前を振るのだからな」

「え!?俺モデルっスよ?それに、もうビジョンは完璧っス!ウエディングドレスも、住む場所も・・・あ!あと子供は三人っスね!」

「キモイな」

「気持ち悪いですね」


え!な、なにそれ。黄瀬くんってば、結婚してくださいって本気だったの?というより、私まだ14歳だし、黄瀬くんだってそうじゃん。なのに結婚できないって知ってるの?私の考えとは裏腹に、どんどん広がっていく黄瀬くんワールドに耐えられなくて、違う廊下を通って教室へと行った。あとから教室に来た黒子くんに、早く帰った方がいいですよ、と忠告を貰ったので、ありがとうとお礼を言って素直に従うことにした。


次の日。学校に来て自分の席に座っていれば、名前を呼ばれて見てみれば明るい笑顔を見せる黄瀬くんが立っていて、なにか小さな箱を持っていた。まさか、指輪とかじゃないよね・・・と焦る気持ちなんて知らないかのように、近づいてきた黄瀬くんはそれを私の手のひらにのせた。開けてみて、と言わんばかりの顔をする黄瀬くん。そっとリボンを解いて開けてみれば、昨日見ていた可愛らしいパワーストーン。これ、どうしたの?と黄瀬くんを見上げれば、もっと明るい笑顔になった。


「昨日、名前ちゃんこれ見てたっスよね」

「・・・え?で、でも、帰り道反対じゃ、」

「ん?あぁ、それは気にしないで下さいっス!」


怖いって思ったのと同じくらい、トキメイた。どうして、なんて聞かなくても分かる。やっぱり、ちょっと黄瀬くんの考え方が怖いのはあるけれど、うん・・・なんか、ドキドキするなぁ。それから廊下で会うたびに嬉しそうに笑う黄瀬くんを見ると、ドキドキとするし、私まで笑顔になる。あぁ、もう答えは決まった。

放課後、黄瀬くんに呼ばれた場所に今度は私が呼びだした。


「私も好きだよ」

「じゃあ、けっこ・・・」

「うん。付き合うから始めよう」



0728
リクエストありがとうございました!イケめてる黄瀬くんがログアウトしてます(え)このリクを貰った時に、咄嗟に浮かんだのはこの曲でした。こういう黄瀬くんが大好きです。イケめてる黄瀬くんも、もちろん好きですよ!ぜひぜひ、これからもよろしくお願いします!(`・ω・´)ゝ

thanks!
スキキライ/ハニワ様 feat.鏡音リン・鏡音レンAppend