thanks | ナノ
楽しそうな笑い声がテレビから聞こえる。はあ、とソファーにうつ伏せで寝ていると、ずしっと腰に重みが掛かった。もうなに。ゆっくりと上を見ると、私の腰に椅子に腰掛けるように座っている悠太がいた。


「もう、なんですか」

「夏バテ?」

「ん、そんなところ」


よいしょ、と悠太を落としてソファーに座る。だけどやっぱりだるくて、背もたれに縋れば悠太が膝枕してあげる、なんて言うから遠慮なく頭を置いた。そっとおでこに置かれる悠太の手がちょうどいい感じに冷たくて、心地よかった。
悠太の手って冷たいよね。そう言うと、そう?と返ってきて、そうだよって返した。そしたらおでこにあった手が首まで降りてきて、くすぐったい。


「そういえば、祐希の手も冷たいよね」

「触ったことあるの?」

「んー、前にちょっとね」


ふうん、と悠太は興味なさげな返事をしてきた。それから間が空いて、祐希は今日いないんだね、って言うと家でゲームしてるらしい。
この前、コンビニ行ったら茉咲に会ったよ。と言うと、コンビニ行ったんだ、って言われた。だるいけどコンビニくらいは行けるよ。そっか、って悠太が笑った気がした。


「…悠太、お腹空いた」

「俺が作るの?」

「うん」


俺は名前の手料理が食べたい。まさか悠太にそんな風に返されるなんて思ってなくて驚いた。うーん、と悩む私に悠太はじゃあ一緒に作ろうって言ったから仕方なく頷いた。
ほら、髪結ぶよ。悠太はそう言って私の髪をといて、側にあったシュシュで髪をひとつに纏めてくれた。相変わらずさらさらだね、って悠太は言うと、春に怒られそう、と付け足した。怒られるのは、悠太もだよ、と私も言って二人で笑った。


君と過ごす優しい時間
悠太それとって。そう言えば、はい、と私の側に置く。今度映画行かない?と突然言った悠太に何の?と聞けば、名前が見たがってたやつ、と言った。いいね行こう。じゃあ予定空けててね。そう言って、二枚あるやつのうち、一枚を渡して来た。祐希たちは来ないの?と聞けば、たまにはこういう感じもいいんじゃない、と柔らかく笑った悠太がかっこよく見えて、そうだねとつられて笑った。


0722
リクエストありがとうございました!ゆったりかどうか分かんなくなりましたが、呑気におしゃべりしています。途中、悠太がヤキモチ妬いたり、お兄ちゃんになってます。これからもよろしくお願いします!