プラスチック・ブルー | ナノ
緑間が帰って、誠凛が帰る姿の中に黒子を見つけた。それは黄瀬も一緒で、ぽつりと消えるような声で謝りたい、言葉が耳へと届き、私の肩を掴めば何処に行けば会えるか分かるっスか、と大きく揺らして。黄瀬の思いは良く分かるし、何より二人がギクシャクなってしまうのは嫌だ。

「たぶん…、きっと4kgステーキがあるお店かな」

断定のしづらい私の言葉に対しても、黄瀬は笑ってありがとうと抱きしめてきた。本当、モデルなのに大丈夫なのかな、なんて心配になりながらも、黄瀬の腕の中は少しだけ安心が出来て、そっと目を閉じた。

***


帰りの新幹線に間に合うように黄瀬がタクシーを呼んでくれて、女の子に囲まれながらも改札口まで連れてきてくれた黄瀬に手を振れば、彼も笑顔で手を振ってくれた。そのままゆっくりと進み出した新幹線に、赤司に報告だと実感してくる。
彼は信じるだろうか。黄瀬が黒子に負けたことに。黒子には新しい相棒がいて、キセキの世代の渡り合える相手だということに。
でも、きっと赤司のことだろうから予想済みだったり…なんて、早々と変わって行く景色を見ながらぼんやりと考えた。

***


京都に到着し、多い人混みの中を歩きやっと見えた改札口では、新幹線内でずっと考えていた赤司が立っていた。
ジャージ姿の彼は、部活が終わってずっと此処で待ってくれていたのだろう。そっと赤司のもとへと寄っていき、ただいま、と声をかければ彼は微笑んで、おかえりと言いながら私の頭を撫でた。

揺れ動く景色と色情


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