短い話 | ナノ
放課後、私たちが帰るころ雨が降り出した。傘持って来てて良かった、と帰りのホームルーム中に外を見ながら思う。だけど、いつものメンバーで帰ろうとした時、祐希が傘を持ってない、って言い出して悠太が祐希に貸してあげた。そしたら悠太の傘がなくなるじゃん、って私が言うと名前に入れてもらうから大丈夫って言い出す。

「祐希に入れてもらいなよ」
「祐希が風邪引いたら困るからね」
「私はいいってことなんだ」

はあ、と溜息が出る。千鶴はこんな雨の中なのに要に追いかけられてるし、春や祐希はそれを見てるだけ。そんな四人の一番後ろを歩きながら悠太と二人で並んで帰った。
隣の悠太を見上げると普通で、正直すごくむかついた。だって、私ばかり意識してるみたいで、そんな悠太は呑気に傘の中に入ってくる。……人の気持ちなんか何にもしらないで、。

「おい、お前ら遅いぞ」
「ああごめん。ほら、悠太行こう」

要がそう言ってまた歩き出す。急いでみんなに追いつこうと小走りで行こうとしたら、ぐんっと腕を引っ張られた。悠太、と言おうとしたらその言葉は呑み込まれた。

悠太にキスをされた、

驚きすぎて傘を落とした。幸い引っ張られた時に、傘で私たちが隠れてたし四人は前を向いていたから気付いていないらしい。
悠太は傘を拾うと私の腕を引っ張ってみんなのところに行った。ドキドキとうるさい心臓はきっと私だけ。


傘に隠した秘密

(なんで、)(キスなんかしたの…)


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イメージは、アニメオープニングのバイバイと、某曲の歌の混合です。すっごく連載にしたくてしたくて…たまらないです!でも、みんなこれの続きが見たいか分からないので、いったん保留的な形ですね、はい。