短い話 | ナノ
ウイーン、と自動ドアがゆっくりと開いて、いつものように心地いい声でいらっしゃいませ、と新くんの声が聞こえる。

「名前ちゃん、また来たんか」
「だって新くんに会いたかったんだもん」

ひとつ年上の高校1年生の新くん。新くんの家は私と近くて、いわゆるご近所さん。小さいときのことは覚えてないけど、私と新くんは昔遊んだことがあるらしい。だけど、新くん東京に引っ越しちゃって…、けど、今はまた戻ってきた。
新くんにとっては私なんて妹みたいな子かもしれないけど、私は新くんが男の人として大好き!

「ねえねえ、新くん」
「ん、どうしたん?」
「んふふ、私ね新くんと同じ高校を受験するんよー」

レジ越しでそういうと、そうか、とふわりと新くんは笑って私の頭を撫でて頑張れと言った。そう言ってもらえただけで、もうなんでも頑張れちゃいそうな私。ちょっと単純すぎかなあ?でも、みんなそんなもんだもんね。

「だからね、勉強教えてください!」
「自分で頑張るんじゃないんか?」
「だって全然わかんなーい」

そう言えば、ぷっと噴き出して分かったと言ってまた笑った。


笑顔が見たくて

新くんが笑ってくれるだけで凄く嬉しくなる。こう…心がぽかぽかと。だから、同じ高校に入って新くんの笑顔をずっと隣で見ていたい。もちろん笑顔にさせるのは私がいいなあ。私が新くんを笑わせて、新くんが私に温かくなる場所になってくれる。それって最高だよね。


0317
新の口調というか、福井弁がわかんなくて、迷子です…!最近、短編を書くのが好きすぎる(むふっ)