多分それはさらさらと、手の中からこぼれ落ちていくものなのだ。

愛してるとフランスが言ったから、イギリスは何も知らない風に「で?」と言って見せた。
愛の国に愛を囁かれるほど馬鹿馬鹿しいことはないなんて持論をイギリスは持っているし、実質、イギリスの求めている愛と、フランスが望んでいる愛は酷く似ているようで全く違うのだから、ここで頬を染める方がおかしい。少なくとも、イギリスはそう思っている。
愛の国はそんなイギリスのそっけない態度に苦笑した。もっとも、ここまでが予定調和の中の出来事なのだから、どうにも笑えない話ではある。
あのねぇ、坊ちゃん

「お兄さん、結構本気なんですけど」

わかってる?なんてフランスが口を尖らせたから、イギリスは「はっ」とそれを鼻で笑ってやった。
決して、「それだからお前はダメなんだよ」なんて言ってはやらない。それを言えばバレてしまう。
イギリスの求める愛が、わかってしまう。
「なぁイギリス」

愛してるよ。
何も知らないフランスは、今日も求められていない愛の言葉を消耗し続ける。

ストロベリー・ブレイクダウン



お題元→Please tell me what's your color?


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