お前を食べるためさ

「筋肉をつけたい?」
「うん、そう。やっぱり体は資本だし、重いものとか運べた方がいいなって」
「そういうことなら、俺でよければ力になりますよ。まずはですねぇ〜……」

1.健康的な食事

「タンパク質を多く取るのがいいんですけど、糖質とか、カルシウムなんかも体づくりには重要ですね。あんずさんの場合、まずはバランスよく毎食きちんと食べるのがいちばんっすよぉ」
「おいしいねえ、このささみのステーキ」
「ESの筋肉仲間はみんなこれを食べて育ってるんです」
「筋肉仲間?」

2.適度な休息

「あんずさん、毎日の睡眠時間は?」
「5時間……」
「ほんとです?」
「とか、4、3、……寝たり、寝なかったり……」
「筋肉が泣いてますよぉ〜? 6時間は寝てください。筋肉は筋トレで傷ついたぶん、寝てる間に回復して強くなるんです。筋肉だけじゃなくて頭も回らなくなりますし」
「ぜ、善処します……」

3.無理のないトレーニング

「スクワットくらいから始めるのがいいっすね。ちょっと触りますよ……フォームはこんな感じで、こうです」
「んっ……くぅ……思ったよりきつい……」
「できるだけゆっくり、フォームを崩さず、ほら!筋肉が喜んでます!」
「楽しそうだね……?」

――――――

「まだ目に見えた成果ってほどではないけど、なんだか最近健康になったみたい。漣くんのお陰だね」
「そりゃ良かった。筋肉は一日にして成らずって言いますからね、こつこつ積み重ねるのが肝心っすよぉ〜?」
「本当にありがとう。なにかお礼がしたいな、なにがいい?なんでもするよ」
「なんでも?」

 猛獣は舌なめずりをしました。
 たくさん食べさせて、たくさん休ませて、たくさん運動させた獲物は、前よりずうっとおいしそう。

「それじゃあ」

 食べごろまで、あと少し。

[ 48/54 ]






[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]

[main top]











[top page]


「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -