愛す俺

顔も前よりではないがそれなりにはよかったので生徒には普通に受け入れてくれた。
【面倒みの良い先生として】

そんで!いつの間にか俺の隣にはいつもこいつがいた
「阿呆。俺を抱きしめるぐらいの元気があるやつが気持ち悪くないわけないだろ」
前の風紀と若干似てるのがまた憎たらしい
性格もしかりだ

「あーん?素直に俺の看病しろよ友ちゃん。それともなんだ?下のせ「黙れクソ風紀」んだよバ会長」
「僕の兄様にセクハラしてもらわないでくれるかな?糞野獣が」
……最悪だ。弟まで来てしまった
俺の弟は前の俺と似ている。それはもう前の俺とまるまる一緒だ。ただ一人称が僕ってなだけで前の俺を見てるようでなんかむしゃくしゃする

しかもこの二人の関係。
本当に前の俺らの生き写しのようなのだ。
だから俺は二人がいると少し気まづくなる


嫌なことを……思い出してしまった
あのリコールの時の高らかなやつの声
……やめよう。俺は俺だ。前の俺とは違うんだ

「おいやめろ。そもそもあと少しで休み時間終わるんだから早く教室に戻れ。学園のトップ共が生徒に示しつかなくてどうするよ」
今の俺だからこんな事が言えるんだろうななんてのんびり考えて

基本的に言うこと聞く可愛い我弟はしぶしぶだが直ぐに戻っていった。前の俺とは違く生徒からも教師からも絶大な信頼を誇る弟。……前の俺ができなかったことを発はしてくれる。劣等感がないと言えば嘘になるが誇りに思うし何より俺は兄だから。


けどやはりこいつは違う
「嫌だ。俺は友とここに居る。気持ち悪い。こいつと出会ったからもっと気持ち悪くなった友ちゃん看病して」
風紀はまるで甘える猫のように俺に擦り寄り強く抱き寄せてくる
だからなのか俺はあまりこいつに強く言えない

甘いなんて傍からわかってるさ
けど仕方が無い
好きだったやつの顔が俺に甘え俺に優しく囁いてくるのを誰が強く言えるのか……
頭ではわかっている、こいつはあいつとは違う
けど愚かな俺は封じたはずの恋心が奴と出会い溢れ始めている

辛い……けど嬉しい。
でも俺はこいつとは決して結ばれない
生徒と教師。その時点で無理だし俺は無意識にあいつと重ねている。そんな甘い気持ちのまま此奴の隣には居られない。

だから俺は教師としてこいつに接しやつが卒業するまで見守ろう
やつが誰かと幸せになる未来を考え俺は静かに暖かい腕に抱かれた

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