※TVドラマ版。メールの内容に顔文字有り。


「あああああああチクショウ!!!」

俺は立ち上がった。椅子が大きな音をたてて倒れた。テレビを見ていたアキラから非難の目を向けられる。

「ボックスうるさい」
「…」

そんなこと言われたって俺にどうしろと言うのだ。

「何か上手くいかないんですか?」

右耳のすぐ近くで聞こえた声にビクリとした。視線をやるという簡単な動作も今の俺にはできないので、ちょうど先程からloseと表示されたままのディスプレイを利用させてもらう事にする。

「勝てねー」
「そうですか」

こんな短いやり取りにも心臓がバクバクって、思春期の女子かっていう。この歳でこんな甘酸っぱさは必要ない。
なぜ女性恐怖症の俺がイズムに恋をしてるのか。答えは至って簡単だ。あまり女らしさを感じられない、けれど底知れぬ可愛らしさに俺の男の部分がやられたからだ。情けない。しかし好きになってしまったものは仕方がないだろう、と言ったところでヘタレに告白なんて出来るわけもなく、今の友人以上の関係を壊すことに恐怖している。もう一度いう、情けない。
チラ、と右に視線のみをスライドさせると、ディスプレイと向き合いキーを叩くイズムの姿が。その真剣な眼差しに体温が上昇するのを感じ慌てて視線を外す。やはりベタな学園モノ以上に近いこの距離を壊す勇気はない。
だが、動き出さなければどちらにも転がらない。それとなく会話をして、まず2人になれる環境を、と意を決したところでケータイが鳴った。口から内臓出るかと思った。画面を確認すればメールが1件来ていて、差出人はダルマ。同じ室内に居るのだから直接話せばいいのに、と思いながらも一応本文を確認してから慌てて振り向き、アキラと共にテレビを観るダルマを見た。するとダルマはヘタクソなウインクを飛ばしてきたではないか。
これは、もしかして、もしかしなくても、気付かれて―――

「うわああああ」

背もたれに無造作に掛けたままだったダウンをひっつかんで俺は羞恥から外へと逃げ出した。



この恋路、蛇行

差出人
ダルマ

件名


本文
頑張れ純情ボーイ(´∀`*)2828




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ボックス→イズムちゃんでした
@deepドラマ版大好きです。イズムちゃん大好きです。あとデジキャピの関西弁くんも好きです。やっぱイズムちゃん好きです。


20120115

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