カタ、ゴトン

チャプン



ギィイ



真っ暗な中手探りでダイニングと外を隔てる扉をあければ、百万ドルと評された夜景も裸足で逃げ出してしまいそうな素晴らしい夜景が広がっていた。

初めて見たときは息を飲んだが、今はもうその夜景の美しさに慣れてしまった。勿体ないが、今でもまだその煌めきに吸い込まれそうになることには変わりない。


「っと…」


星の美しさを前にして忘れかけていた目的を思い出し、船縁からセカンドマストへ網状にかけられたロープを登る。

セカンドマストを登りきりメインマストに掛かったロープへ飛び移ってそのまま見張り台まで一気に登った。


「よう」

「え、あれ先客?」

「先客じゃねェ、見張りだ」

「……そっか。夜も見張りって居たんだ」

「たりめーだろ」


緑色の頭とこんばんはしてしまった。
今日は久々に呑みたい気分なのに、これでは実行出来ない。
煌めく夜景に気分を持ち上げられただけに落胆は大きい。


「見張りお疲れ様。じゃ。」


すっかり下がってしまったテンションで来た道を戻ろうとロープを握ると座ってこちらを見上げていたゾロに足首を掴まれた。


「……なに?」

「なんか用があって来たんだろ?」

「無くなったから戻るわ」

「じゃあその背中のモン置いてけ」

「……やあよ自分のお金で買ったもの」

「じゃあ呑んでけ。夜の見張りは暇なんだよ」

「…やだ、足放して」

「はは、やなこった」

「アンタめちゃくちゃ性格悪い」

「なんとでも」


諦めてゾロの座るとこから90°の位置に腰を下ろして風呂敷から酒瓶を取り出す。きゅぽんとコルクを抜き酒瓶と共に持ってきていた木のコップへとぷとぷと中身を流してから瓶をゾロに渡した。


「ボトルでいいのか?」

「いい。そんな呑めないし呑むつもりもなかったし。まあ寝入り酒だよ。それよりすごい高かったんだからちゃんと味わってね」

「おう、さんきゅ」


今回は当たりだったようで、ちびっと口をつけた透明ピンクなソレはお酒と呼ぶにはだいぶジュースに近い物だった。


「なんだコレジュースじゃねえか」

「違う、れっきとしたお酒だから」

「わかんねー。っていうかおまえ酒呑めたんだったら宴の時も飲めよもったいねえ」

「だめむりわたしお酒すごく弱いの。みんなが呑むような度数高いお酒呑んだら即リバースだよ。宴盛り上がる前からそれは勘弁」

「あー確かにそうだな。」


うだうだと話してるとだんだん眠気が襲ってきた。夕方のうちに投げ込んでおいた布団を手繰り寄せてくるまるように被ってコップに半分ほど残ったお酒をゾロに押し付ける。


「はい、あげる。もう寝るから、おやすみ、なさい」

「ほんとに酒よえーな…」

「うっさい、体質…」


ストンと意識が落ちた。





夜風と星と若草色


(こんなとこで、無防備な寝顔晒すんじゃねえよバーカ)







×××××

意味が分かりませんね。
初ワンピ初ゾロ夢でした。
新境地過ぎて右往左往しております。
百万ドルの夜景は香港です。いつかは行ってみたいですねえ。

甘くもなく暗くもなく日常な夢が好きです。
実を言うと甘やかされたりお姫様だっこされたり撫でられたりって言うのは好みません(笑)(笑?)
ヘタレ男と自虐女の子か天然女の子か鈍感女の子のいつ終わるのコレェェェな話が好きです。


お粗末様でした。




追記
名前変換ナカッター(0言0;)
ごめんなさい…

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