なんの変哲もない昼下がり。昼休みから1時間授業を挟んだ休み時間には夢現な生徒もちらほら。
そんな気の抜けた校内を目的へと闊歩している伊千はしっかりと覚醒している。
彼女は目的の教室へ着くと、入って直ぐのところで友人と談笑している男子生徒に話しかけた。


「ねえ西村、夏目いる?」

「夏目なら席でまだ寝てるけど」


話しかけられた男子生徒は教室の前から6枚目の窓の方を指差し答え、途端その顔ににやついた笑みを溢れさした。


「…え、何?もしかして告白?」

「うんそうだよだから邪魔すんな」

「えっマジ!?」


伊千の突然の告白に西村は目を丸くした。無理もないだろう、つい先日の放課後にした恋バナで、伊千は全くと言って良いほど色恋について興味がないと言っていたのだ。西村はこの短い間に何があったのかと身を乗り出し質問を畳み掛けようとした。


「何がキッカ「冗談。あんたの驚く顔は見てて飽きないわー」」

「ッ嘘かよ!ひでえ!鬼!悪魔!」

「ひどい、そこまで言わなくてもいいじゃない!西村なんて大っ嫌い!」


伊千はその瞳を潤ませ、西村に見せまいと手で顔を覆い下を向き回れ右をして走り去ろうとした。そんな彼女に慌てた西村は彼女の肩を掴んで制止し、前に回り込んで顔を覗き込んむ。


「おっおい泣くなって!!ごめん、オレが悪かっ「プッ」」


伊千の目を覆っていた手はいつの間にか口を覆っていて、その隙間からはクククと笑いが漏れた。


「………えーと、伊千さん?」

「………なあに?」

「嘘泣き?」

「……プックク、アハハハハハハ!!やばい西村その顔凄く良い、写メらせて!!」

「ヤだよ!!誰が撮らせるかっ」

「いーじゃん減るもんじゃなしに!はいチーズ!!」

「撮るなあああ!!」




………………おまけ

「あいつらほんと仲良いよなあ」

「ああ。…あいつら付き合ってるのか?」

「夏目もそう思うよなあ…あれでただの友達なんだよ」

「そ、そうなのか!?」

「そうだよ」





短いけど終わりです。気付いたら夏目夢が西村夢になってましたアルェ?
ちなみに会話は聞こえてません。おまけは北本と夏目の会話で、北本が夏目を起こしに行っての場面です。自分が何言ってるかわかりません。
今読み直すと西村視点で書きたかったですたい。

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