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『はんべー!』
「えっと… 何をしているのかな?」
「申し訳ございません半兵衛様!私が付いていながらスピカにこのような奇行を…っ」
ニコニコと笑い、寄ってくるスピカとは対照的に一緒に来た三成は申し訳なさのあまりかその場で平伏し。
流石に廊下でそれをやるのか止めてくれないだろうか。他の者に見られたらあらぬ噂を立てられる。
「教えてくれないかなスピカ。どうしてそんな格好をしているんだい」
『えー だってスピカはんべーにいちばんにおきものみせるってゆったもの!ほかのひとにみられちゃだめなんだよ』
「 ! 見られないよう、それで隠してきてくれたのか…?」
『うん!』
元気よく頷くスピカに2人とも目を丸くしてしまう。が次の瞬間には笑って。
大人が考えつかない事を仕出かすのが子供だとは知っている。けれどこんな風に喜ばせ、驚かせてくれるとは…。
勿論、そうまでして見せに来てくれた着物はとても似合っていて。一瞬真剣に子供が欲しくなった半兵衛だった。
end.
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