以前の日記に載せていた妄想文の一部です。パラレルとエロ多め。

突然の徐遼

2005/04/15

徐遼ですこんばんは。
やっぱり地元でいつもの仕事をしていると鬼のようにネタができます。
次々浮かんできて記憶するのが追いつかない!

追いつかないので、忘れないように日記にメモしときます。
日記ってそういうものじゃないだろう黒江。

で、あのう…。
徐遼なんですけど、徐遼お好きな方にはあまりお勧めできない内容です。なんだそれ。
とゆか、徐晃がお好きな方は読まないほうがいい気がします。
若干大人向な表現がありますので苦手な方は退却してくだされ。




静まり返った寝室の中。
立ち尽くす徐晃が見つめるのはぐっすりと眠る張遼。
春の夜はしんと冷たく、はだしの足が心もとない。

ふたりはよく酒を共にしていた。
いつも凛と張り詰めたような男が、酒の力かいつもより饒舌になり笑顔も増える。
それが嬉しくて、つい杯を勧めてしまう。そして自分もつられていつの間にか酔うのだ。
酔ってしまえば帰るのが面倒になる。この日は張遼の邸宅で飲み交わし、泊まってくれという好意に甘えた。

ん…とため息のような声を漏らして張遼が寝返りをうつ。
寝台の小さな軋みが、彼の重さを伝える。すぐそばにある、無防備なからだ。


(だからよ、わかんねえならそれが手っ取り早いだろ?)


昼に聞いた夏侯淵の言葉が浮かんだ。
気になるひとがいる、と何故言ってしまったのだろう。

(へー、どんな奴?脈はありそうか?)

脈も何も、相手の気持ちどころか自分の気持ちさえよく分からないというのに。

(でも、大事にしてやりてえとか、そう思うんだろ?)
(ずーっと護ってやりてえってさ)

頷くと夏侯淵は肩にばんと手を置いてきた。

(あのな…もう乗っかっちまえ!)

えっと思わず声が出た。

(そうすりゃ自分の気持ちも相手の気持ちもすぐわかる!嫌がられたら止めて謝りゃいい)
(だからよ、わかんねえならそれが手っ取り早いだろ?)


実際こうして見つめていると、迷っていたのが不思議なくらいだった。
身の内に感じる、確かな欲求。
彼が、張遼が欲しい。

いつまでも穏やかに眠れるように、その心も体も守りたい。
同じく武の高みを目指す者同士、切磋琢磨して共に生きてゆくのは震えるほど幸せな事だろう。

しかし同時に

彼を、滅茶苦茶にしてしまいたいという思いもまたあった。
その武を踏みつけ、絶望の色に染まる顔を見てみたいという歪んだ欲望。
気高いその存在を、地に堕してやりたい。

その気持ちを自覚して跳ね起きた。
半ば夢を見ていたようなものだったが、そう自分を誤魔化す事はもうできなかった。
整わない動悸もそのままに、こうして張遼の寝台まで来た。

眠る顔は、少しだけ幼い。
いつもならすぐに目覚めるのだが、彼は徐晃をすっかり信頼してしまっているようだった。

それが嬉しく、悲しい。

ゆっくりと寝台へ上がる。

「誰だ!?」

さすがに目を覚ました張遼が、起き抜けとは思えぬほどすばやい身のこなしで徐晃の襟をつかんだ。だが、その手からはすぐに力が抜けた。

「徐晃殿…?どうされた」

僅かに警戒の色をにじませた瞳を向け、上半身を起こした張遼が問う。
それには答えず、はだけた掛け布をめくり、張遼の両足の間に体を入れる。
後ずさろうとした腰を引き寄せ、体重をかけて寝台に押し倒した。

「…何のつもりだ」

起き抜けで声は掠れていたが、響きは冷静だった。
真っ直ぐに見つめてくる、強い瞳。
こんな状態でも冷静でいられるその姿に、腹の底から醜い思いが溢れ出てくる。
自分が笑っている事に気が付いた。

「…徐晃殿」

さすがに驚いたのか、すこし声が揺れた。だが返事はしなかった。

「徐晃殿」

襟の合わせ目に手を入れた。じかに肌に触れると、びくりと身を硬くして不安げに名を呼んだ。

意外にも抵抗はなかった。


月明かりに浮かぶ白い肌は艶かしく、徐晃の情欲を刺激する。
ガンガンと頭の中に警告音が鳴り響いていたが、それを無視してくっきりと浮かんだ鎖骨に歯を立てる。首に、耳に、ほとんど噛み付くような愛撫をくわえた。
口付けると、両腕が徐晃の背に廻された。片足も腰から下に絡みつく。

張遼の夜着の前はすっかりはだけ、均整の取れたからだが見えた。
その筋肉を辿るように舌を這わせる。

「…っく」

ときおり漏れる甘い声に理性も何もかも吹き飛んでいく。
激しい欲望に突き動かされ、己を制御できない。
寝台に突っ張っていた片足を外側に滑らせ、大きく開かせる。ゆるく勃ちあがった中心を握り込み、揉むように動かした。

「あ、あっ、んん…」

緩急をつけて上下させると、切なげに眉根を寄せる。その表情に加虐心は坂を転がりだす。


こんなにも欲しかった。どうにかしてやりたかった。組み敷いて、支配して、懇願させて、そして―



(でも、大事にしてやりてえとか、そう思うんだろ?)



「…っ」
「徐晃、殿…?」

突然動きを止めた徐晃に張遼は上気した顔を向ける。
その瞳から逃れるように、徐晃は視線をそらした。その先には、しなやかに誘う脚。
再びふつふつと情欲が沸きあがりかけた。しかし、



(ずーっと護ってやりてえってさ)



暗い炎が消えていくのが分かった。


確かに彼に対し、歪んだ思いもある。それは否定できない。
でも本当に望むのは―


「申し訳ござらん!」

そのまま深く頭を下げた。彼の顔をまともに見れない。
それでも意を決して頭を上げると、張遼はじっと徐晃を見ていた。

「…何に対して謝るのです」

まだ少し甘さの残る声が掠れた。





中途半端なところで終了。いやあの、メモですから…。
でも使う予定は、無かったりします。
徐晃の『暗』の部分は、書いててなんだか辛いですね。
でもきっと、彼にだってそういうのはあるだろうな、と。
徐晃軍と張遼軍が戦ったとしたら徐晃軍が勝つと思うんですけど、徐晃と張遼が戦ったら張遼が勝つと思うんですよ。
徐晃も張遼も互いに、相手に自分に無いものをみて憧れや羨望をおぼえてて。
でもそれは同時に、嫉妬や歪んだ何かでもあるわけで。

そんなことを書きたかったの多分。

あのあと張遼は「今回だけは忘れます、でも」と言って、徐晃を殴るんですけど(笑)
ほんとは張遼も悪いのだけど、リセットする為に殴った。
色々なことに気が付いた徐晃は、これから本格的に張遼さんを口説くといいな。たどたどしく、でも真摯に。


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