以前の日記に載せていた妄想文の一部です。パラレルとエロ多め。
くももうそう(パラレル呂遼)
2005/11/29
今日の妄想は、呂布と張遼がくもなんですなんだそれ。
呂布蜘蛛が人間でいうところの15歳くらい。張遼蜘蛛がちょっとおねえさん(!?)で18歳くらい。
あまり深く考えずに、どうぞ。
呂布は、この辺りでは一番力の強いくもでした。
誰よりも立派な巣を張れたし、何より体が大きく、腕も足もとても力強かったのです。
呂布はある日、決して近寄るなと言われていた建物へと向かいました。
そこは一族の誰もが恐れる、禁断の場所…。
用心しては来ましたが、何のことは無い、ただの建物です。
長が散々呂布に釘を指すほどのものとは思えませんでした。
(あいつらはいつも俺に、まだ若いとか経験がないとか言うが、俺は何でも出来る)
自分を縛り付ける者たちを見返してやりたいと常から思っていた呂布は、窓の隙間から入り込みました。
薄暗くしんとしている室内は、えものを待つのにぴったりです。
太陽の光で巣のしずくが光って、気付かれる事もありません。
呂布は夜を待ち、月明かりで巣を張り始めました。
★
銀の糸が、するりするり。
大きく、大きく。
美しいかたちに編みあがってゆくその様子を、誰も見ている者はいないはずでした。
「ここに巣を張ってはいけないよ」
突然の声に驚き目をこらすと、ぼうと白い影が見えました。
「だれだ、おまえ」
「ここにおまえのえものはいないよ、お帰り」
月明かりに照らされて、青白いかおをした一匹のくもが見えました。
ほっそりとした手足が頼りなく、今にも消えてしまいそうな。
「この俺に、獲れぬえものはない」
「お帰り」
「おまえも、俺を未熟者あつかいするのか!」
「…死んでしまうよ」
「くどい!俺はここに巣を張る、決めたのだ!」
そう叫ぶと、そのくもはもういちど何かを言いかけましたが、悲しそうな顔をして、くるりと背を向けました。
「待て、おまえ、名前は?」
歩き出す背中に声をかけると、振り向かずにそのくもは、
「…張遼」
そう呟くと、影の中に去ってしまいました。
つづく!
(※結局続きませんでした笑)
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