/葉月



最近、月島について思うこと。
無意識なんだかわざとなんだか、あいつがよく「〜でいい」という話し方をしていることに気づいた。紅茶かコーヒーかを聞けば「紅茶でいい」、風呂に入るかを聞けば「後でいい」。月島にとってはただのくせみたいなもので深い意味はないのかもしれないが、一旦気づいてしまうと、どうしても気になってくる。

「明日1日休みだよな?足りないもんまとめて買い物行くか。天気予報雨っぽいから来週でもいいけど」
「僕は別に……どっちでもいいよ」

ああほらまた言った。
月島は基本的に受け身で物事を進めるやつだから、いつもこんなふうに相手に全部任せるのだ。たぶん。そのせいで、俺は毎回毎回もやもやした気持ちになる。おまえはそれでいいのか。おまえが自分から選ぶようなこと、なんか、ないのか。

俺はもやもやを抱えたまま、そして月島は変わらずすました顔のまま。

「きみが行くなら僕も行く」