夜行バスにて…【土銀】
「ちょっと…土方っ!」
夜行バスで…
バスに揺られて何時間経ったのだろう。
俺は久しぶりに土方と旅行に行くことになった。
旅行…
目的地は草津。
土方はどうしても温泉に行きたいようで、俺のスケジュールなんてそっちのけで、既に宿の手配まで済ませていた。
…あまりに急でビックリしたけど…
俺は嬉しかった。
夜行バスというものはなんて窮屈なんだろう。
大の大人がこんな狭い空間で寝るなんて無茶すぎる!
…しかし…おかしいな…
もしかして寝てないのって俺だけか…?
通路側に座っていた俺は周りを見渡してみた。
全員寝てんじゃねーか!!!
右では土方がすやすやと寝息を立てている。
なに…コイツ…!カワイイんだけど!!
俺はそっと土方の頬を撫でた。
それが擽ったかったのか、無意識でイヤイヤをする。
(普段からこのくらい素直だといいんだけどな…)
しかし、次の瞬間、土方がぎゅーっと抱きしめてきた。
突然の出来事だったから、俺はあっさりと土方の胸に身体を寄せる形になっている…
「土方っ…お前…何してんだよ…」
「……。」
返事がない。
どうやら無意識にしているのだろう。
恥ずかしくなって土方の腕から逃げ出そうとしたけど…
あまりにも気持ち良さそうに寝てるもんだからそれは出来ず…
俺も自然と土方の腕の中で寝てしまった……
***
目を覚ますと何故か銀時が俺の腕の中で寝ていた。完全に身体をもたれかけられているようで身動きがとれない。
(あれ…コイツってばこんなに積極的だったか…?)
人前では絶対にこういう行動はとらない銀時だからなんだか嬉しくなって、(確かに俺の身体には負担がかかりそうだが)そのまま寝る事にした……
***
(朝…)
「…客さん!……お客さん!起きてください!着きましたよ草津!」
運転手の声で目が覚めた。
バスは草津の宿の前に到着しており、後ろの席の人がしきりに俺達を見ていく。
…って!!土方!いつまで俺を抱きしめてんだ!
顔がパーッと赤くなる。
土方は寝ぼけ眼でバスを降りていく人たちに言葉を投げかける。
「見せもんじゃねぇ!!」
俺は一発土方を殴ると、すたすたとバスを降りた。
(宿で…)
俺の怒りは最高潮だった。
「銀時!なんでそんなに腹を立ててるんだよ!」
「なに、お前、自分がしたことわかってねーの!?俺は抱き着くとか…そういうのは公の場でしてほしくねーんだよ!!」
「…?抱き着く……?」
土方はぽかんとしている。
「抱き着くって…銀時が俺のほうに寄り添ってきたんじゃ…」
「はぁ?ばっかじゃね?んな恥ずかしいことするかよ!」
…土方は勘違いをしていたようだ。
でも…まぁ…いいか。
今回は許してやるよ。
お前の寝顔が間近で見れたしな……
end
*****
…反省…
土銀を書くのは初めてでしたが…いかがでしたか??
難しいんですね…
もっと精進するしかなさそうです…
なんか甘くないですね…ごめんなさい(土下座)
今度はもっと甘めで行きます!!
2008.10.18
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